TAK44マグナム

死の標的のTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

死の標的(1990年製作の映画)
3.0
セガーーーール!!


と、叫んでみたところで何の意味があるわけでもないのですが、スティーブン・セガールの名を聞くと、マンションを販売していたセザールのCMを思い出す年齢のTAK44マグナムです、こんにちは。
そう、カウボーイ姿のクマが「セザーーーール!」と叫ぶCMです。
若い方は知らんでしょう。
なぜなら、さっきWikipediaで調べたところ、とっくに倒産していたからです(汗)
どうりで最近、あのクマを見かけないわけですよ。
それにしてもあのセザールクマが主人公のオリジナルアニメが作られていたってのも知って驚き。
声優に三石琴乃とかも参加、メカデザインがZガンダムの小林誠だったんですって。
ほのかにバブリーな匂いがしますな!

・・・前振りが長くなりました。
でもね、この映画、特に語ることが無いんですもの(汗)
いつものセガール映画であって、それ以上でもそれ以下でも無い。
それでも頑張って、いくらか語ってみるとしますか・・・


セガールは腕利きの麻薬捜査官。
開始1分で麻薬密売人のダニー・トレホをボコって成りすまします。
しかし商談相手にバレて、そのお陰で相棒が殺されてしまいます。
いくら頑張っても麻薬の売買は減らないし、もうそんな殺伐とした生活に嫌気がさしたセガールは警察を辞めて地元に戻るのでした。

妹家族や親友との久しぶりの再会に心休まるセガールでしたが、そこにも麻薬の影が忍び寄っていました。
街ではジャマイカンな麻薬組織が幅を利かし、犯罪が横行。
関わるまいとしていたセガールでしたが、呑んでいるところを邪魔されてモンキーという密売人を捕まえます。
それが引き金となって組織のボスはセガールとその家族を標的に襲撃!
姪っ子が撃たれるに至って、ついに堪忍袋の緒が切れたセガールの怒りが暴発!
親友と組んで、組織を根絶やしにするための闘いを開始するのでした!


捻りもなんもなく、どことなく話の発端は「マッドマックス」っぽい。
血で血を争う生活に疲れた主人公が束の間の平和を得ても、結局は復讐のために殺し合いに身を投じることになるわけで。
しかし、「マッドマックス」よりも全然緩く、誰が殺されたわけでもないのに敵となる麻薬組織は死屍累々という、著しくバランスを欠いているところが何ともセガール。

セガールと言えば無敵無双がトレードマークですが、本作でも絶対的に強いことは強いです。でも、決定的なピンチに2度も見舞われるのが珍しく、初期作品ならではの慌てふためくセガールが見られますよ!
それでも力づくでピンチを脱するのもセガールでして、何も考えていない脚本はこんな部分でも深みが全く無い(汗)
結局は絶体絶命のピンチが全然ピンチでないので、ハラハラドキドキとは程遠いのでした。

唯一、本作でツイストが効いているなと思えるのは敵のボスの設定ぐらいです。
魔術や呪術を使うと噂されているんですが、そのネタが初登場時には何となく分かっでしまうんですよね。
SFやファンタジーでないとすれば、もうそれしかないだろうというネタに苦笑いするほかなかったです。
いくらジャマイカで恐れられていても、こんな程度じゃセガールの相手は100億年早いですね(苦笑)


というわけで、暇つぶしにしかなりようがないセガール映画でしたが、特筆すべきはキャスト陣。
「ハチェット」シリーズや「ハロウィン」シリーズのスクリームクィーンであるダニエル・ハリスがセガールの姪っ子役で、セガールに協力する相棒役が「ゼイリブ」で有名なプロレスシーンを演じたキース・ディヴィットだったりします。
また、無駄に美貌な検視医を演じているのがジョアンナ・パクラで、この人は「プライベートレッスン(1993)」で稲垣吾郎を脱童貞させた女優さん。
本作では意味ありげに登場、セガールと良い仲になるのかな?と思ったら何もないままに出てこなくなってしまって残念。
チャールズ・ブロンソンの「デスウィッシュ」シリーズなら、間違いなく乱暴されるか殺される役(汗)
かように、「単純なお話なのに特に必要なさそうな登場人物が多すぎ問題」も本作のダメっぷりをあらわす特徴なのでした。
もっとスッキリさせればよいのに。


それでも近年のセガール映画と比べれば、いかにも90年代なアクションの本作は悪くはないです。
まだまだ細マッチョだったセガールも動けていますし、肉を消音ライフルで撃ちまくる「漢の仕事準備シーン」も和気あいあいで宜しい。
そして、妹役の女優さんのオッ●イが全部見えるわけでもないのに視覚的にものすごい破壊力を発揮する場面があったりと、男の血や、色んなモノが滾(たぎ)る作品なのは間違いないでしょう!
やはり、セガールは「暴走特急」までの初期作品に限りますなぁ〜。


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