ナオフェッサーX

ペパーミント・キャンディーのナオフェッサーXのレビュー・感想・評価

3.7
映画「オアシス」に心を撃ち抜かれてしまいまして、同監督のイ・チャンドン作品に興味を持ちました。しかもキャストも同じくソル・ギョング&ムン・ソリ。

何をやってもうまくいかない酷すぎる中年の危機的な状況に陥った主人公の自殺シーンから始まります。
あ〜あの日に帰りたいよ〜。と、彼は電車に身を投げます。
死の寸前に走馬灯のように記憶が蘇るといいますが、そんな風に初めて愛した女性への想いですとか、うまくいかなかった結婚生活ですとか、後悔した戦争体験など順々に回想していきます。

全て自分で選択してきた人生なハズなのに、思い描いた未来とはかけ離れた現在。

冴えなくつまらない自分のなかで、唯一キラキラした自分が美しい分だけ切ないという皮肉さ。

ソル・ギョングが20前後くらいから40歳までの役を演じていますが、そんなに違和感も感じる事なく、入っていけました。

私は女性目線に近い「オアシス」の方が、ぐっときましたが、男性には男性目線のこちらの方が受けそうな気もします。
ただ、とっても暗いです。