Ryoko

ペパーミント・キャンディーのRyokoのレビュー・感想・評価

4.3
人生ってこんなにも哀しいものなのでしょうか。歳を取ればとるほど、苦しみや失望に支配されていくものなのでしょうか。
主人公が同窓会の席で自殺をするという衝撃的なシーンからスタート。精神錯乱状態で、線路に仁王立ち、そして断末魔の叫びで、一気に落ち込ませてくれる。
彼がなぜ自殺に至ったか、死の3日前から20年前までの人生を遡りながら描かれている。
そして、主人公のソルギョングの演技に圧倒される。「オアシス」の時もそうだったけど、正気と狂気との間を行ったり来たりしているような精神状態を演じさせたらピカイチだと思う。
監督は、「シークレットサンシャイン」「オアシス」を見て気になっていたイチャンドン。登場人物の哀しみはとても深く、これでもかというほど痛みを感じさせるのに、どこか美しさを感じさせる作品が多いと思う。思い出だったり、愛情だったり、水辺に反射する太陽の光だったり、雨上がりの澄んだ空気だったり、暗闇を照らす街灯だったり、初恋の彼女がくれた真っ白なペパーミントキャンディだったり。
絶望の中でも救いの手を差し伸べるかのように、少しだけキラキラしたものを添えてくれる感じが好き。
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