ろく

めがねのろくのレビュー・感想・評価

めがね(2007年製作の映画)
3.7
しゃらくさいけどなんか気になる映画監督シリーズ④

スールキートス映画(たまにスールキートスなのかキールスートスなのかわからなくなる)。

まあこの映画作ったときは件のプロダクションなかったんだけど、荻上直子の映画というよりスールキートスの映画としてここに降臨。まあ何も起きないから。まあ何も見れないから。まあ、最後まで同じだだから。

でもね、映画としてつまらないかと言うと微妙なの。いやこの何も起きないが「面白い」になっていてついついこれは荻上の戦略に嵌っているんじゃないのって思っちゃう。

これは「禅」だよ。映画を観ている中で自分も映画の中に入りこんで、自分の気持ちに素直になるの。そしてどうでもいい一言を大きくとらえる。大事なのは自分に向かうこと。この映画はそんな「禅」大好きな人には嵌るんだろうなぁとしみじみ(僕も少し嵌る)。

途中眠くなってしまってもたいまさこや小林聡美のセリフ、あるいはマンドリンの演奏などを夢心地で聞いていたんだけど、この映画に限っては「寝ることもありなんじゃないの」って気持ちになる。映画は寝たら負けだけどこの映画は「いい睡眠を提供しますよ。映画の中に取り込まれて」そんなこと言われている感じまでしてしまう。

そしてもたいまさこ最強伝説。最後にもたいが出てくるシーンはインド映画のメンターですよ。そのままボリウッドダンス始まるんじゃないかって思ってしまう(実際は謎のヨガ体操)。

心が少し軽くなる。これは映画のデトックスだなぁ。「かもめ食堂」もそうだけど、向こうさんの戦略にすっかりはまっている僕がいます(戦略とか言っている時点で負けですよ、はい)。
ろく

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