紅梅シュプレヒコール

タワーリング・インフェルノの紅梅シュプレヒコールのレビュー・感想・評価

4.2
超高層ビルの竣工式の日に欠陥工事による出火が発生。やがて大規模な火災へと発展したビル内で人民救助のため消防士と設計者ロバーツが奮闘する姿を描いたパニック映画の金字塔

スティーヴ・マックィーン、ポール・ニューマン、フェイ・ダナウェイなど豪華キャストが集結したスペクタクル溢れる一作

事件への導入が早いのに合わせ、多くのハプニングが起きるというパニック映画に不可欠な"スピード感"と"緊張感"がしっかりと備わっているので、退屈する暇などなく終始見入ってしまった

積極的に事件に対処する消防士や主人公だけでなく、事件に巻き込まれる市民にも焦点を当てており、群像劇としてのクオリティも高い

人間同士の醜いイザコザも少なく、見ていてストレスになる展開が抑えられているのも個人的に嬉しかった(パニック物でありがちな魔女狩り展開が苦手なので)

そして、丁寧にドラマが描かれていたキャラクターがあっさりと死んでしまうのには驚きと絶望が押し寄せ、誰が死んでもおかしくない状況に戦々恐々とさせられる

特殊効果を駆使した迫力ある場面の数々が没入感を高め、1974年の作品であるにも関わらず古さを感じることなく観ることができた

命を賭して人命救助にあたる勇敢な消防士への敬意を今一度私たちに抱かせてくれる傑作です