エクストリームマン

吸血髑髏船のエクストリームマンのレビュー・感想・評価

吸血髑髏船(1968年製作の映画)
3.0
海上に霧と船が見えたら、お前は死ぬ、的な。あなたの夜が来る、的な。

船員皆殺しにして金塊を奪った悪党5人が3年後次々死んでいく話にキリスト教が絡まっていたり、そうでもなかったり。江戸の怪談話的な、実際に幽霊がいるかいないかもミステリになっているようなタイプの、わりとオーソドックスなプロット。殺される悪党の中では、小池朝雄の死ぬ直前ドアップの顔芸がとてもよかった。

松竹故か、全体的にほのぼのしているというかお行儀がいいというか。ドライアイス満載の特撮にほっこりしたりもできる。ただ、画作りにはとてもキレがあって、カラー映画が登場していた時代にあえてモノクロを選択したのも納得の切れ味。画面に墓地の十字架、若木を配置して、更にそこを2人の登場人物が移動しながら芝居する場面とか、構図、移動共に完璧。一枚絵としての完成度が抜群に高い。他にも、ワンカットで海から廃車、髑髏、潜水服が連なって引き上げられる場面とかもカッコイイし、画的な見応えは凄い。惜しむらくは、音楽、効果音が過剰だったり、あまりかっこよくない点。編集テンポ上げてアナログシンセをかき鳴らしたら痺れるような出来になりそう。