風ノ助

八月の鯨の風ノ助のレビュー・感想・評価

八月の鯨(1987年製作の映画)
4.0
小さな島の海辺の別荘で鯨が来るのを楽しみに夏の間毎年やって来る老姉妹
家の掃除をして庭の花を摘んで飾り外で絵を描く
姉の方は視力が失われているけど二人で海岸まで一緒に散歩して鯨を探す
お客様を迎えるときは髪を結い上げお洒落な服に着替える
エレガントという言葉がぴったりの可愛い姉妹

他にはニッカポッカに蝶ネクタイ姿で釣りをするご近所の紳士、お喋りでおせっかい焼きの幼なじみ、家のあちこちを気にかけてくれる修理工、と老人たちしか登場しないある意味ファンタジーな世界

童話のように美しい映像の中で楽しそうに過ごしてはいるけど老いていくにつれてのリアルな問題もあるしすぐそばに死への入り口の気配も感じられ寂しさとか悲しみの予感もある

鯨は希望の象徴
歳をとっても夢を持ち毎日丁寧に美しく生活している老人たちが眩しい

これから歳を経て観る度に感じ方が変わってきそう
風ノ助

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