どーもキューブ

SPIRIT スピリットのどーもキューブのネタバレレビュー・内容・結末

SPIRIT スピリット(2006年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

ジェットリーの精武門サーガ



 2010年10月11日 19時51分レビュー

 
2006年ワーナー作品、武術監督「マトリックス」で世界に売れたユエンウーピン。製作、主演ジェットリー。

2010年、自分思うに最後の超大作スタローンの夢の共演アクション作「エクスペンダブルズ」。その予習として鑑賞しています。

兄貴から昔より「「ワンチャイ」シリーズは、ヤバい」とレコメン有り。友レビ様のレコメンも有り、「エクスペンダブルズ」予習経由で乗っかったジェットリー。





ブルースリー「怒りの鉄拳」をリメイクした「フィストオブレジェンド」。

本作のリメイクを見て、素晴らしい「愛」ある新しさに触れて、ジェットリーをかなり好きになったんです。
それは紛れもない「ブルースリー」への愛を感じました。

「フィストオブレジェンド」での実在人物であるおっしょうさん「霍元甲」をなぜか「スピリット」でやっているという事はわかっていました。
本作の中村獅童の「なんでだろぅ?」の助演。

「ラストサムライ」経由の日本人役、原田眞人監督の存在。私の大好きな作品「バウンスコギャル」や「カミカゼタクシー」、最近ですと「クライマーズハイ」の監督さんです。
関係無いですが、原田監督は、スタンリーキューブリック監督の「フルメタルジャケット」日本語字幕監修で一仕事しております。
とってもキューブリックの完全主義に参ったという原田監督のエピソードを聞いたことあります。なんで、英語はお手のものなんです。

どんな風にブルースリーから受け継いだ「精武門」の物語をジェットリーが描いたのか、「アラハン」みた後すぐ借りて鑑賞となりました。

「怒りの鉄拳」から「フィストオブレジェンド」「スピリット」を並べますとどれも素晴らしい刺激に満ちたサーガ、精武門サーガ物語に見えました。
ブルースリーのスピリットを大切にして作った「フィストオブレジェンド」。

それをさらに上回る物語の骨格、最新の映像クンフー、ジェットリーの演舞と格闘シーンの出来の良さ。

本作でより

ジェットリー自身の「クンフー」感が顕著に表出しています。

ジェットリーが「少林寺」で魅せた姿がだぶります。ジェットリーの己を鍛えあげ、敵は我にあり的なテーマが聞こえてくるようです。ジェットリー自身の生声、熱演、、。

敵を殺し、再び己もボロボロになる姿に涙

再生する素晴らしい農村の静かなラブ。田植えの風、苗を植える植え替える人間愛の教示に涙

ラストのまるでジェットリー自身の「少林寺」冒頭シーンの演武にドッキングするかのようなクンフーの鮮やかな「かた」に涙

本作を持って「武侠映画」を引退する意味の潔さ。ジェットリーが演じたい人物をブルースリー作品からきっちり受け取るその「素直さ」「一筋の思い」「貫く真の野太い意志」

自分なりにしっかり作り直そうという「真面目な誠実性」すら僕には、ビ、シ、ビ、シ感んじましたねー!

彼がブルースリーの提示した物語にしっかり関わり、

自分なら「こう黄さんを演じるよ」という視点で日本人、

西洋人を同列にとらえて、「敵対心」より「リスペクト」を肝にそえ、

監督ロニーユーのハイスピードスローな映像ミックスにまぶした「スピリット」でした。邦題も良かったですね。

ジェットリーの精武門スピリット。最終的クンフー魂が入った静かで、痛々しくて、地味な心得を流布しようとしたジェットリーに
僕は「ただ、」「ただ、」、、、、、、嬉しい涙がこぼれていました。

なんて素晴らしいカンフー愛であろうか!と、、。

ジェットリーが恐らくこだわる「拳」で決める一撃もこだわりを感じます。

「フィストオブレジェンド」でも拳でした。ブルースリーが「蹴り」で決めるのと明らかに意識して最後の一撃を描き分けています。リーも拳一撃ありますが、蹴りとか踏んづけとかが多いです。

格闘シーン的に言うと幾分スローがかなり入り緩急の面でいささかもたついたり、スピード感のロスも感じます。

「フィストオブレジェンド」の方が「がち」度はまさるかもしれません。

吹き替えの代役の方の動きの違いや飛ばされたときや所々のささいなCGなど見劣りしてしまう所もあるにはあります。

しかし、極力ワイヤー無し。サンセツコンや剣の武具も使用したファイトは必見!

実直な獅童さんの演技、ワダエミさんの衣装もも要チェックです。また、農村の中越典子さん似の少女がとっても綺麗でした、美貌けなげさ必見。

今も鍛錬に励む「精武門」の成り立ちを全身で演じたジェットリーのスピリットを感じてほしい作品です。


追伸
「スピリット」だけしかみたことない方、ジェットリーファンの方、是非ジェットリーの「フィストオブレジェンド」そして元ネタブルースリーの「怒りの鉄拳」と
精武門サーガ3部作として見ていただくとよりいっそう楽しめるかと思います。
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