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赤ひげのKnIのネタバレレビュー・内容・結末

赤ひげ(1965年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

黒澤にとって最後の「白黒作品」であり
黒澤にとって最後の「三船出演」作品。

訪問リハビリテーションを行なっている割と名の知れた方の講演会で、こんな事を話していた。
「私はね、なるべく患者さんのアルバムを、ご家族さんから見せて頂くようにしてるんですよ」と。
そうすることで、患者の背景を知り、相手の事をより考えて介入できるという。その逆に患者に深入りする事は、客観的な判断が出来なくなると主張する者もいる。
津川のように患者を「病を持った人間」としか捉えないのか、それとも「一個人の人」として見るのか。
自分は医療に人間的な繋がりがあっていいと思う。
保本は患者の人生と通じることで、一口に言えない医療の深遠さを見た。そして、赤ひげのようになると決めた。

何が正しいかは分からない。
けれど医療に限らず、このヒューマニズムの肯定こそが、現代に足りていない気がする。


事務局オフタイム【第147回】「赤ひげ」
https://youtu.be/8EzAIzowJuE
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