天豆てんまめ

近松物語の天豆てんまめのレビュー・感想・評価

近松物語(1954年製作の映画)
4.2
しみじみ傑作だと思う。

監督は『西鶴一代女』『雨月物語』『山椒大夫』と3年連続でヴェネツィア映画祭にて銀師子賞を受賞した溝口健二監督が身分が違う男女の道ならぬ恋を描いた。

時は江戸時代。

京都で羽振りよく商売を広げる当主の若き後妻おさんと腕利き職人の茂兵衛の道ならぬ恋。

不義の疑いをかけられた2人が逃げて追手が2人に迫る。険しい道をボロボロになって逃げる2人。

「もう、疲れた。死にたい」おさんの言葉に覚悟を決めた茂兵衛は船から一緒に身を投げようと決意するがその時、茂兵衛は、おさんに「今まで慕っておりました。私の意思で一緒に死にたいのです」と告白。

茂兵衛の気持ちを初めて聞いたおさんは、泣き崩れ、死にたい気持ちが、茂兵衛と共に生きたいという気持ちに変わってしまう。

2人は結ばれ、誤解から生じた駆け落ちは、本当の駆け落ちとなり、命からがら逃げる果てに2人は捕まって。。

流れゆく愛の果ての悲劇。
見事な傑作。