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溶解人間のcocacorgiのレビュー・感想・評価

溶解人間(1977年製作の映画)
3.5
溶けゆく皮膚や消えゆく自我が、人間が人間でなくなることへの恐怖に繋がっている。もちろん特殊メイクの出来栄えもその説得力を高めてる。
スティーブが人間だった時の記憶が繰り返し描かれることから、きっと彼は人間であることに執着がある。人を襲うのだって自分に欠け始めている人間性を求めての行動だったかも知れない。
じゃあ果たして彼は人間なのか否か、どの程度の溶け具合までなら人間と認められるのか。
もしかしたら人として扱ってくれる他者の存在があれば、人は人として存在できるんじゃないか。
ならば彼はドロドロでも人間だった。化け物と言われても人間だった。それを認めてくれる人がいたから。その人がいなくなった時、彼は人間であることをやめた。
たまに出る字幕のおかしさが作品の雰囲気をも面白おかしくしてるのは珍しい好プレー。田舎っぺ言葉は笑う。
変なとこでの長回しも記憶に残る。
もしかしたらこれは良い映画だったのかも。
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