<概説>
ちょっとしたことから関係がうまくいかなくなった親子に最初で最後の転機が訪れる。父の幻想的な物語を通して、息子は父と和解することはできるのか。
<感想>
童話という言葉がぴたりとあてはまる、優しいお話です。
ティム・バートン作品はすごく人を選ぶよなあと前々から思っていました。ダークファンタジーというか、単純に物語の毒気が強い。
御伽噺の悪役は「実は彼もかわいそうなんだ!」というキャラクターが多いです。しかし彼の作品の悪役は、童話の風でいて非常に現実的。
シンプルな暴力を振るったかと思ったら、その次の一幕では倫理的に問題のある社会契約を結んだり。加えて勧善懲悪のバランスが絶妙なので、最後顔を顰めることも多々。
けれど本作はきちんとそこを童話に寄せています。
罪と罰のバランスを観客の溜飲がさがる程度にしているし、なにより悪役にも同情の余地が窺えるのがいる。大人のドラマなようでいて、全年齢楽しめるいい作品に感じられました。
しかしブシェミ…ブシェミ…あなた…
やっぱりそういう役回りですか!!!