どーもキューブ

エンター・ザ・ボイドのどーもキューブのレビュー・感想・評価

エンター・ザ・ボイド(2009年製作の映画)
4.5
ギャスパーノエ、無の旅インジャポン



 2011年3月29日 18時12分レビュー

 

2009年作品、R18指定。脚本、監督ギャスパーノエ。

全国でひっそりと公開。

アニエスベーのお墨付きホラーで飛び出したギャスパーノエ。

「カノン」「カルネ」で親子の禁断愛憎を軸に二作の鮮烈ホラー、賛否両論の雄叫び。

そして欧州二大俳優、夫婦共演のモニカベルッチ、ヴァンサン・カッセル。
ガチンコ夫婦の愛か陵辱か?「アレックス」

佳作ながらも変わらないホラーテイストを繰り出してきたギャスパーノエ、いちお短編以外は、すべて鑑賞済み。

今度の舞台はなんと日本!雑誌で日本の性風俗にがっついてたギャスパーノエの記事拝読。




セックス、麻薬系映画、R-18、セルDVDでは、日本のいや、世界のメタルホラー作家塚本晋也監督と映像特典対談。そんな所からの製作なのか?と思います。

物語的にもひねりも厚みもありません。

が、映画構造自体が根底から変でございます。

だって主役の後頭部しか映らない映画ってはじめてかも(笑) 

冒頭から必殺技の「スパー超はぇークレジット」が、無茶苦茶かっこよく、すっかり心をわしづかみされてしまいました。スロー、ファスト映像フェチの私としまして、ドストライクな冒頭。(しかし、ギャスパーノエ相変わらすだなーとも思いました。)

ギャスパーノエのトリップ映像の巻、場所は、日本、新宿、歌舞伎町(らしい)

主人公の麻薬トリップをきっかけに、オール主観的映像でお送りするスタイル。

魂の映像スタイル、、トリップ、麻薬映画系のおさらい、、。
昔ロジャコーマン監督の「白夜の幻想」

デニスホッパー監督の幻のラリパッパ大作「ラストムービー」
私がビデオ屋でやっと見つけた、NYでロングランヒットしたドラッグムービー

イケメン宇宙人と麻薬映像と画面がしぼむ映画「リキッドスカイ」

ほかダウ二ージュニアの魂の麻薬中毒「レスザンゼロ」

「ブラックスワン」が楽しみな、お気に入りダーレン監督の麻薬破滅ムービー「レクイエムフォードリーム」等々ございました。


本作は、麻薬のトリップした映像が大変素晴らしい、そして、独創的、、。

なんか瞼を閉じた時にたまに残像でみえてくるようなブレイン映像が見えます。(針のようなチクチクした、まるで枝のような感じ)

トゲトゲした映像がどこか血管?体内の構造のような映像です。

物語は、東京に住むとある兄弟。あることがきっかけで、主人公がとある世界に突入してしまう、まさしくエンターザボイド、無に向かっての旅がはじまる。

映像的な嫉妬心がおこりました。ある意味輪廻転生の映像処理そして、ある意味超独りよがりな映像に見えるかもしれません。意味わからんで事足りるかもしれません。

途方もないループワープ映像、VFXの素晴らしさ。酔う人がでるかもしれません、注意。

エロスの光り輝く後光は、まさしくラブな光、ミステリアスな東京の光がともります。



さて!

ギャスパーノエが描くエンターザアナザーワールド

完全主観映像でおおくりします。

ギャスパーノエ監督、無の旅インジャポン

大変面白かったです!是非。ナチュラルトリップしてみては、いかがでしょうか?

追加追記
本作も2010年代ベストテンランクイン作品で、好きです、奇抜、エロめんどくさい新しい。
どーもキューブ

どーもキューブ