画家を志していただけあって、まるで動く絵画を観てるかの様な美しい構図やコントラストに脳が刺激されます。庭園、建物、衣装、調度品、全て素晴らしく、特に朝靄が美しかったです。内容は、動く謎の彫像が良く解んなかったけど、比較的解りやすいと思います。これも音楽はマイケル·ナイマンです。
1694年英国。若き画家ネヴィルは名士ハーバートの妻ヴァージニアに夫が留守にしている間、夫への贈り物として庭園や屋敷の風景画を12枚描いて欲しいと依頼された。ネヴィルは承諾する際に契約を交わす。描く場所は彼が決め、指定した時間、その場所に誰も立ち入らない。更に多額の報酬とネヴィル氏が行う快楽の為の要求に夫人は必ず応えなければならない。と言うモノだった。
ネタバレ↓
やがて、ネヴィルが描く風景の中に、昨日まで無かった物が置かれて行く。ハーバートのジャケットやシャツや乗馬靴、彼の部屋の窓に掛かるハシゴ等。ネヴィルはそれらを絵に描き足していく。
ヴァージニアはネヴィルの性的要求に嫌気がさし、絵を半分描き終えた所で、お金は払うから契約を終わらせたいと言う。
ヴァージニアの娘サラとドイツ人の夫はセックスレスで、子供はおらず、夫が引き取った甥っ子がいるのみ。サラはネヴィルに母と同じ契約で、残りの絵を完成させて欲しいと契約を交わさせる。
ハーバートの死体が庭園内の堀で見つかった。その頃、サラはネヴィルとの子を妊娠。
一方、ネヴィルは12枚の絵を完成させて帰るが、13枚目の絵を描くよう呼び戻された。ネヴィルがそれを描いている晩、サラの夫、屋敷の財産管理人ノイズ、地元の大地主達は、お前がハーバートを殺したんだろうとネヴィルを殺し、ハーバートの死体が見つかった堀に投げ捨てた。
ハーバートの相続人に指名されたのは娘サラの息子だが、子供がいない。サラの夫に相続権はなく、あくまで息子の後見人。また、女性の相続を彼は認めていない。彼の屋敷も土地も元は夫人の父の財産なのに...。ハーバートが亡くなり、ヴァージニアごと頂こうとしたノイズや、大地主達、ネヴィル等、皆怪しいけど、恐らく母と娘が仕組んだんだろうと思われる。犯人をハッキリとはさせていない。やっぱり、ストーリーよりも絵画の様な映像美を楽しむ作品なんだと思います。
庭に溶け込んでいた動く彫像は、いったい何だったのだろう?小便小僧の像は本当にオシッコしてた。謎だ。内容はそんなにだったけど、やはり映像が感動レベルだった。