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戦火の勇気のkojikojiのレビュー・感想・評価

戦火の勇気(1996年製作の映画)
3.6
湾岸戦争の最中、戦車部隊隊長のサーリング中佐(デンゼル・ワシントン)は敵の戦車と誤認して部下であり親友のボイヤー大尉を戦死させてしまう。

湾岸戦争終結後、彼は名誉勲章などを扱う部署での事務職を命じられる。贖罪の機会も与えられないままその仕事をするのはサーリング中佐にとって苦痛で、アルコールに溺れるようになる。
そんなある日、サーリング中佐は史上初の女性名誉勲章受章者になるかもしれないカレン・ウォールデン大尉(メグ・ライアン)の調査を命ぜられる。

彼女は医療ヘリに乗り、勇敢に戦って負傷兵を救助した軍人として候補に挙がっているのだ。 しかし、調査を進めると彼女と一緒にいた部下達の証言が食い違っていた。彼はウォールデンの行為に不信感を持つようになるのだった。

デンゼルは角刈りで、いかにもアメリカ軍人だ。部下を殺した彼は自宅にも帰れないぐらい苦悩する。しかも軍はそれを隠蔽し、葬式では、両親に嘘をいう。これがまた彼を苦しめる。
その彼が、名誉勲章に値するのかしないのか、その調査をするのだから皮肉意外の何ものでもない。

しかも部下達の証言の食い違いは、戦火の中での真実を語る勇気とは何かを、常に自分自身に問い続けなければならない。

ストーリーは面白いが、デンゼルの魅力はあまり出ていない気がする。
大袈裟に表現する部分が少ないこともあるかも知れない、ずっと自分を押し殺した演技を続けなければならなかったこともあるだろう。
しかし、それだけにラストで、両親に真実を語る時の演技は見ものだ。この映画の評価はそこに尽きる。
…と思う。

No.1486 2023-517
1996年(42歳) アメリカ🇺🇸映画
デンゼル-6
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