みきちゃ

J・エドガーのみきちゃのレビュー・感想・評価

J・エドガー(2011年製作の映画)
3.5
読書してたら「なんだお前、フィンランドのフーバー長官にでもなりたいのか?」という台詞が出てきたのをきっかけに鑑賞。。「ペンタゴン・ペーパーズ」にグッときたせいで掘り下げ続けてるウォーターゲート事件シリーズとも絡むのかなと思ってた、J. エドガー・フーバーFBI長官の伝記映画。

フーバーは初代FBI長官だった人で、アメリカ合衆国を犯罪捜査で世界一にするんだと決めて、そのために必要な法案を通し、各州警察に分散して連携の悪かった捜査システムをFBIで統括するように改革して、指紋データベース作り、法医学捜査を取り入れ、科学捜査を確立したりしながら、大物政治家のスキャンダルを掴んでは目的を達成するためには脅迫もしちゃったりして、48年間、八代もの大統領が過ぎてく間ずーっとFBI長官を勤めた。彼一代でFBIは凄い組織に仕上がってしまったといっても過言ではない。"Information is power"をよくよくわかっていた人。フーバー役のレオ様、すばらしかった。権力者としての強さと、人としての弱さがあった。

そんなフーバーも、任期の最後に登場したニクソン大統領のことは脅威と感じていて、「もしも俺になにかあったら…」と秘書にニクソン対策のお願いをし、フーバーの訃報を受けた彼女はそれをばっちり遂行する。ウォーターゲート事件の内部告発者であるFBI副長官マーク・フェルトを描いた映画「ザ・シークレット・マン」はフーバーが死んだところから始まっていて、ニクソン対策が遂行される様はここでも確認できる。フーバーに怯えてFBIには手を出せていなかったニクソンが今だとばかりにFBI乗っ取りをしかけてきて、新副長官としてニクソンと戦う次世代のマーク・フェルトへと物語は移っていく。

リンドバーグ法以前には、FBIが州警察よりも弱かったのを見て違和感がすごかった。今はどんな犯罪ドラマでも、FBIが乗り込んできたら地元警察は即身を引いてアシスタントに回るのが当たり前だもんなあ。

政治色ばっかりの映画と思い込んでたらフーバーの右腕のFBI副長官トールソン役のアミハマとの渋すぎる恋愛劇が始まってびっくり。カミングアウトしていない二人の愛情表現がまあストレートじゃなさすぎて逆に濃厚に感じた。なんとなく寂しさが漂ってたけど、一緒になって愛するFBIに人生を捧げてくれた右腕と秘書がいる、愛のある人生だったと思った。

そのアミハマの右腕に任命されて頑張ってたのがマーク・フェルトだったんだけれども、この映画には出てこなかったのでウォーターゲート事件シリーズには入れるのはちょとちがう。なのでスピンオフで。

バーンノーティスとゴシップガールの主役級俳優が出ててうれしかった♪
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