にゃんこむ

白いリボンのにゃんこむのレビュー・感想・評価

白いリボン(2009年製作の映画)
3.7
スカッとする映画の対極にある作品。
ミヒャエル・ハケネ監督の作品は初めて視聴しました。

○第一次世界大戦前夜のドイツ北部。熱心なプロテスタント教徒の村人たちに不可解な事件が起きる。まず、村の医者が何者かによって仕掛けられた針金によって落馬し、大怪我を負う。さらに村の男爵の作業所で女性の事故死が発生する。一連の事件が落ち着き収穫祭を迎え、ダンスにお酒にと村人たちが浮足立っていたその日、男爵のキャベツ畑が荒らされてしまう。さらに事件が続き……

『白いリボン』とは抑圧の象徴。
抑圧する側は弱者を追い詰め、弱者は精神を擦り減らしていくが、その憔悴した様子すら責め立てる材料にする。
抑圧された歪みは、弱者よりさらに弱者に向かう。

先日見たホラー映画のItも、強者と弱者の描き方がリアルで嫌だったなぁ~と思いましたが、今作はその数万倍不快感があります。
不快感があると書くと、つまらなかったように思えてしまいますが、その不快感こそがこの映画の魅力でした。
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