TAK44マグナム

サンダーバードのTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

サンダーバード(2004年製作の映画)
2.8
何やら新しい「サンダーバード」が放送されているみたいですね。トイザらスへ行ったら、ものすごく「サンダーバード」推しで玩具がたくさん陳列されていました。

そんなわけで10年ぐらい前にハリウッドで製作された、人形を使わないで映画化されたものです。
生身の役者さんたちがトレーシーファミリーや悪役を演じています。メカ類はすべてCG製ですね。
オリジナルの「サンダーバード」は人形劇であり、メカはプロップを操演していたので、そういった本来のアイデンティティをすべて取り払っている事に嫌悪感を抱く生粋のファンもいそうですね。
個人的にはオリジナルの世代ではありますが、そんなにハマって観ていたおぼえはありませんので、気になりはしませんでした。
ハマりはしませんでしたが、サンダーバード2号(緑色の輸送機)が好きで、縁日で玩具を買ってもらったんですけど、帰宅して遊ぼうとしたら壊れていて、縁日なので文句を言うのも難しいとのことで泣き寝入りしたのは覚えています。
現在だったら縁日だろうが何だろうがクレームつけにいくところなんでしょうけどね(苦笑)

あと、自分の世代でいうと「サンダバード」っていうとジェットモグラが印象に残っているんですよね。
何故なら、ガンプラ改造してリアルシミュレーションで戦わせる漫画「プラモ狂四郎」で、プラモ会社の会長に譲ってもらったジェットモグラのプラモを使って主人公がバトルの勝つというエピソードがあったからなんですな。
本作にもジェットモグラが登場、活躍します。活躍といっても悪役が使っちゃうんですけどね。

そんでもって本作ですが、かわいいアニメのアバンタイトル(有名なテーマ曲が流れまくりです)からして、大人向けというよりは完全にお子様&ファミリー向けといった印象。

スーパーリッチな元宇宙飛行士のトレーシーが家族で結成した国際救助隊サンダーバードの活躍を描いておりますが、テンポが異常によくてポンポーンと話が進みます。
が、ストーリー自体は何の捻りもないし、大した内容じゃありません。薄くて軽い。だけどお子様にも分かりやすい親切仕様といったところです。
トレーシー兄弟の末っ子で、未だサンダーバード隊員として参加できずに悶々としているアランが主人公なのですが、彼の活躍と成長を描くお話なのもあって、他のトレーシーファミリーの陰があまりにも薄いです。
宇宙空間に閉じ込められたまま、やられっぱなしで、ほぼ何も出来ないという体たらく。
パパとお兄ちゃんたちがだらしがないので、そのぶんアランが頑張らないとならなくなるという寸法で、親友のファーマット、そして友達以上恋人未満のティンティン(ヴァネッサ・ハジェンスだって最初は分からずビックリしました)と共にサンダーバードを操って、水没したモノレールを助けたりと活躍しちゃいますよ。
また、美人諜報員のペネロープが出番の多い割には大して役にたってないのも含め、この辺りの「大人は役にたたない」という展開からして、やはり製作陣が想定したメインの客層はお子様たちなんでしょうね。
そうなると、すでに生まれてから半世紀弱のオヤジ世代が一人で鑑賞するには少々ツライものがあるのも致し方ないのかもしれません。正直、夜中に観たのもあって、よく寝落ちしなかったと思います(苦笑)。

悪役であるフッドとその部下たちが、キャラクターとしてあまり魅力的に感じられなかったのも残念でした。
フッドはベン・キングスレーが演じているのですが、もっともっとエキセントリックなキャラでも良かったんじゃないでしょうか?
その目的もたんにお金っていうのが普通すぎというか、俗物すぎです(苦笑)

その反面、「サンダーバード」最大のウリであるメカニック類は、デザインがオリジナルから多少リファインされてはいますが、そこまで違和感は無いし、単純に格好いいです。
サンダーバード1~3号のランデブーとか、少年の心が蘇るようでワクワクしちゃいました。

雨とか降って出掛けられない休日の午後にでも、一家でノホホンと愉しむ分には3.5ぐらいの評点をつけたいところですが、夜中にオヤジが一人さみしく鑑賞したのでね・・・(涙)


huluにて