〜20年以上の時を経て再鑑賞〜
これはもう、ストーリーとして、観る人の年齢や環境によって評価がまったく違うだろうな、という作品。
当時多分大学生だった自分は「なんだかまどろっこしいな」みたいな感想で終わっていた気がするが、今回この年になって見直してみて、そのリアリティと、切なさと、諸々の会話に表現される人生の真理のようなものに心を打たれる。
話はシンプルで、中年に差し掛かった兄妹が、母の遺言を聞くために集まり、火葬にしてほしいという希望と、ある男性とのひとときの、しかし真実の愛の思い出話を綴ったノートを見つける。
その回想シーンと、自分の母親の知らない一面を見た子供たちのそれぞれの反応、自分たちの人生と比べて何が大切なのかを自問する、実に良くできた設計。
昔は夢があった。今は田舎で家族と特定の人たちとの交流だけ。自分の人生はここで終わっていくのか。この恋という感情をどう扱えばいいのか。
メリル・ストリープのほとばしるセリフの断片を聞き漏らさずに見て欲しい。なんて冷静に先を見ているのか… しかし理性とは別に噴き出る感情と衝動… 圧巻の演技。
そうだ、恋をしよう🥰