シリーズ「老い」を考える第三弾。
確か年相応のことをしろと言ったのは世阿弥だっけ。
でもそれってホントに正しいのかなと思うときもある。「年だから」って言葉で僕らはついつい「何かをやらない」し、やっている人を「いい年して」みたいに言う風潮。でもそんなことあまり気にしないでいいんじゃないかって最近思っている。別にしたいことはしていいんじゃないの。
でこの映画。老人5人(青島幸男、谷啓、宇津井健、山崎努、長門勇)に松原千恵子の全部で六人が銀行強盗を企ているというあれ、どこかでみたじゃん、あ、黄金の七人だ!そう、この映画は老人版黄金の七人なの。
展開はポンコツで宇津井なんか銀行強盗するのに図書館から参考本借りちゃうの。ああ、それではすぐばれてしまうだろ。全体的にどうした警察と突っ込みたくなる。
でもそれを無視すれば大人ならぬ老人の童話。ああ、松原と山崎という史上最高齢のベッドシーンや青島と星野真理のベロチューシーンなど、どこまでもよくやるぜという展開なんだ。
見ていてそんなバカなと思ってたけどその一方で老人だってこんな元気で楽しいじゃないかという気分にも。(銀行強盗は悪いけど)こんな元気なジジイになりたいとしみじみ思い、難しいことも雲散霧消。よっしゃこんな映画で元気出るじゃんって気持ちにもなる。
その他、藤岡琢磨に加藤治子、さらには森繁久彌とこれでもかと老年俳優が勢ぞろい。みんな鬼籍になってしまったよ。今では生きているのは山崎努と松原千恵子だけ。そう考えるとこんだけ元気な俳優たちがみんな亡くなったのは寂しい。でも最後まで元気でやりたいことやって。
そして逝きたい。しみじみ思う。