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櫻の園 -さくらのその-のくりふのレビュー・感想・評価

櫻の園 -さくらのその-(2008年製作の映画)
3.0
【ハグを眺めるオスカー少女】

先日、前作を見、このリメイクあったのも思い出し、絶対劣化してるだろと思いつつ、ついで見。

まずWikiに公開時の興収情報があり驚愕。オスカーの専務が最低15億と意気込んだものの、蓋を開けたら37,756,900円也…約1/40! 「この数字は単純計算で1館あたり各上映に1、2人しか入場していないことになる」だそうで……サクラチル。

敗因はわかりませんが、これといった売りがないことは確かですね。主演の福田沙紀ちゃんからして魅力が曖昧で、映像的な押しも弱い。彼女の顔面構成を見ていると、私は魔法使いサリーのよっちゃん、思い出すんですけどね(←例えがレトロ過ぎ)。

脚本の関えり香さんって、普段はTVで活躍しているんですね。本作、脚本的にはTVドラマでよく見た型に嵌って終わって膝カックン。たぶん監督が前作と同じ中原俊なのが救いで、別人ならもっとイタかったろうと思った。

少女たち自身が醸すものを楽しめればいい、と納得できる作品だってありますが、櫻の園は、原作と前作の魅力を知った上だと、この仕上がりではパロディみたいだな、くらいに思いますね。

せっかく脚本が女性で、前作にはない、3世代の女性の葛藤を縦軸に入れたのだから、そこから膨らませることもできたでしょうに。

教頭センセのあっけない宗旨替えにはズッコケちゃった。演じた富司純子さん、この役に納得していたのだろうか。

世代を超え繰り返されるハグ、は少し映画的でよかった。しかし、主人公がそれを眺めるだけで終わってしまうのが、ドラマとしての限界なんだろうな、とも思いましたけれど。

<2015.7.3記>
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