森繁、淡路夫婦道行き
2010年6月16日 21時32分レビュー。
1955年芸術祭参加作品、ブルーリボン賞監督賞、主演男優・女優賞受賞。初森繁全盛期作品鑑賞。
夫婦の良さ、互いの「駄目」さを認めつつ、はまりつつ、夫婦のズルズルベッタリを上手く演じていた俳優の映画でありました。
設定もかなり駄目駄目べっとりだし、
よく逃げないなぁとか思っちゃいましたが、大変良かったです。
ボンボンで勘当覚悟な放蕩息子に森茂久彌。
彼を支える「オバハハン」こと気丈でべったりつくす淡路千景。
二人の夫婦のぬかるみの道行き。
濡れながら、
深みにはまりながらの夫婦の物語。
本作森繁のグチグチ喋るわがままさ、
女性陣今見たらイライラするんじゃないかな?
駄目親父ぶりが板に付きすぎて、
素晴らしいグニャグニャ亭主ぶり必見。
そしてこれまた、メゲない芸子はん。
淡路さんの女性ぷりは今まで見た淡路さんの中で一番良かったです。
潮らしく、艶やかで少し情けなく、グニャる森繁に寄り添う妻を全身で演じております。
豊田監督のズーム、朝夕の陰影、切り返しが実によかった。
なんか夫婦ってええなぁと思わせる力とシンドさが二人夫婦から伝わってきました。
森繁・淡路夫婦道行きの結末はいかに?
追伸
劇中の自由軒のカレーが食べてみたいわぁ!