Ryoko

クロッシングのRyokoのレビュー・感想・評価

クロッシング(2009年製作の映画)
4.2
ブルックリンの犯罪多発地区に勤務する3人の警察官(麻薬捜査官、潜入捜査官、定年間際の無気力な警察官)の苦悩を描く。
いかにも犯罪が多発しそうなスラム街に、小汚いストリートや「プロジェクト」と言われる低所得者層用の大きな集合住宅が出てくる。街並みとそこで生きる警察官たちの苦しみがマッチしていて、息苦しさや焦燥感が痛いほど伝わってくる作品だった。
冒頭の車中の長回しの会話シーンから凄まじい。リチャード・ギア、イーサン・ホーク、ドン・チードルの主演3人が三者三様、とても良い表情をしている。劇中、「警官は、殉職した方が家族が潤う」と言われるほど薄給で過酷、犯罪と戦う毎日なのに苦労は報われず。警察官であることの誇りとか正義を貫くとかきれいごとを言ってられない世界を見せられる。どん詰まりになった3人は、最後にどんな行動をとるのか。かなり暗い作品だけどまったく光がないかというとそうでもない。
「家に帰れ、奥さんにキスしろ」と言ってイーサンをなだめる警察官の友人の言葉が良かった。
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