カオリ

ビフォア・サンライズ 恋人までの距離のカオリのレビュー・感想・評価

4.6
個人的な思い入れと思い出の詰まった映画でして…
自分の評価が変わるのが怖くて再鑑賞できずにいたシリーズ
(・_・;)どんだけビビりなんだ…
今以上に「恋愛映画なんてみてる自分にゲボるわい!」なんて思っていたトンガリ気味な10代の頃に、自分と少し似た嗜好の方にススメられて初めて観たのですが。
ビックリするほどに好きで、未だ今作が今まで観たことのある恋愛映画では一番好きな作品です。
んで、超絶ひっさしぶりに鑑賞しましたので、改めてレビューを書きます。

あらすじとしては、列車で居合わせた男女が途中下車して14時間という限られた時間デートするっていう、それだけなんですけど。
とことん会話!でもずっとネリネリ歩いているので、ロードムービーのようでもあり。ディスタンスの会話劇ロードムービー。
悪く言えば地味なんだけど、だからこそ良さが染み出している。

とにかく演技ありきなので、主演がこの二人でなければ全く違う映画になっていたのではないかと思う。
二人の、全話アドリブなんじゃ?と思うくらいに自然でリアルな会話、そして視線や仕草に、釘付けになる。

イーサン・ホークを好きになったのも今作を観てからなんですが…当たり前だけど若いー!今の私より若い!当たり前か!かわいい!ジュリー・デルピーも可愛すぎる!もう!くっついちゃえよおまいら!って開始3分で思いますって。

当時も感じましたが、ジュリー・デルピーの台詞がいっちいち素敵なんですよ。
作家を目指しているというだけあって、とても詩的で素敵!
哲学的なお話が多いのもフランス人である彼女らしさ。
とくに、「神がいるとするなら~魔法があるとするなら~」って話は、もう鉄板ですよ惚れてまいます。この話を聞いているときのイーサンの表情も最高よ。
そう。理解できなくても理解しようとする気持ち!
大事だけど、とくに歳とともに、めんどーってなっちゃうもの。あかん。

恋愛に限らず、距離感って本当に大事というか何なら全てなんじゃないかと思う。
気持ちの距離、実質的な距離、そこにお互いの価値観やタイミングが加わって、人間関係ってできていくもので。
長く一緒の時間を過ごしているからといって必ずしも距離が縮まるわけではなく。
たった一日たらずだとしても、記憶に深く刻まれるような時間を過ごせたら、人生の彩になるってもの。

そんなに有名な作品ではないと思うのだけど、何年もたってから続編が作られた映画というのも珍しいのではないのかな。
コアなファンが多いのかなーという印象です。

続けて続編も観ますが、こんなに好きな作品なのに、3作目が未鑑賞なんですよね。
いい加減に観てみようかってのもあり満を持しての再鑑賞会です…

ちなみに評価は再鑑賞後も変わらずでした。
というか、初見のときにはなかったこと…デートに誘うイーサン・ホークの台詞で泣きそうになりました。
その後の会話や出会う人たちとの会話まで、全てが感慨深すぎるんだけど…
続編での二人を思ってというのもあるし。
自身にもちょっと重ねたというか初見の頃のことを思い出しました。
ははぁこりゃ良い映画じゃ。やっぱり評価も少し上げよ。
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