いののん

レッド・サンのいののんのレビュー・感想・評価

レッド・サン(1971年製作の映画)
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時は1870年(明治3年)

日米親善のためアメリカの首都を目指す武士たち
列車の音が大変小気味よい
ところがその一行を乗せた列車が強盗に襲われ・・・


あれっ!? ちょ、ちょっと待ってくれ!
どっかで見たことがあるぞお-!
これは、我が愛すべき、
ずっこけ3人組?の珍道中に似ている---!


拙者、珍しく調べましたでござるの巻。今回のレビューは、めずらしく調べたことも書くのでござる。拙者、武士として、ウソはつけませぬからな。ずっこけ3人組の珍道中(『ザ・サムライ/荒野の珍道中』)は、今作に敬意を表して作られたのであった。つまり、こちらの方が先に作られてたのね。へむへむ。


ミフネはラスト・サムライとして、武士道を貫く。武士の世が終わりに近づいていることを重々自覚している。えっ、武士 in ウェスタン? 拙者が最初のうちに抱いたその違和感は、またたく間に斬られ申した。そして、凜として立つそのお姿を、たいそう誇らしく感じたのでござる。所作の美しさ。丹田鍛えてあるのがわかる走り方。この映画の主役はミフネだ! そして、そのミフネの相棒となるのが、ハリウッドスターのチャールズ・ブロンソン。きり丸が如く、お金にこだわる。彼がミフネを顎で使うのが、ちょっとムッとくるけど、ミフネは仕事人としてきっちり働くのでござる。さすが武士!

そして、この2人に、フランス映画界きっての美男子アラン・ドロンが絡むという、めちゃ豪華な共演!


ロケーションも素晴らしい。2人が崖を馬で駆け下りるシーンなど、みていてさすが!と言いたくなりやんす。コメディと正統派西部劇との絶妙なバランスもお見事!


でも、観た時期が悪かった。ウインド・リバーをみたあとだから、ネイティブ・アメリカンが出てくると考えてしまう。今作ではコマンチェ族が出てくるが、そうすると彼らの肩をもちたくなる。コマンチェ族は悪くないのにさ。そう考えると、私には、本作よりも、珍道中の方が、性に合ってるみたい。あの映画の終盤は・・・(語りたいけどガマンガマン)。とにかく、くっだらないのが好きなのさ。いや、言い間違えた、くだらないのが拙者の好みでござる。
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