カトコウ

カイロの紫のバラのカトコウのネタバレレビュー・内容・結末

カイロの紫のバラ(1985年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

映画館と映画にまつわる作品

ロマコメでありウディ・アレンの作品

スクリーンから登場人物が

つらい現実の日々からの救いを求めて
何度も作品を観に来た映画ファンの女性との恋に飛び出してくる

という物語

ある意味妄想としてありがちな筋だが

スクリーンに残された他の登場人物の困惑
困惑するスクリーンのかけあいに戸惑うか楽しむ観客
騒ぎを聞いた製作者の面々
飛び出した人物を演じた本人

などが次々にこの出来事に集まってきて
時には大衆的で皮肉っぽくあり
時には哲学的で詩的なやりとりもあり

ウディアレンらしくてフフフと楽しくなる作りで
音楽の使い方も良かった

またロマコメとして
ヒロインに惚れる人物が惚れる過程で
彼もまた彼女の言葉が
彼自身の求める言葉で、きっと心奪われたんだろう

ただ
現実の日々と虚構の物語
けっきょくヒロインがどっちを選んで
どちらにヒロインが選ばれたのか

そんな話になったのもまた
虚構の世界に現実を支えられてる自分にピッタリで

これを10本の中でも五千本目に持ってきて正解だったと本当に思う

五千までの十本、自分の構成要素
映画と現実の関係
登場人物と役者の関係
製作と神の関係
実在と与えられた役割の関係
カトコウ

カトコウ