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ダークナイト ライジングのjonajonaのレビュー・感想・評価

ダークナイト ライジング(2012年製作の映画)
3.7
『ザ・バットマン』の復習で再鑑賞。

昔見た時は複雑で長尺な上にダークナイトのジョーカーを味わった後の期待値もあってかなり微妙な印象だったんだけど、改めてみるとテーマ的にはしっかりシリーズとしての流れを意識した誠実な作りに感じた。あと『ザ・バットマン』の後に見ると明るい。良くも悪くも笑

ノーランにしては真面目すぎてテクニカルな巧みさが控えめな印象。
ジョーカーに踏み躙られた自分の中の正義心を取り戻すための戦い。同時にヒーローという立場に執着してしまう自身の狂気との葛藤を描く。
前半の挫折したブルースの描写がとても丁寧で好感を持てるのだけど同時にアクションを見に来た人からするとだらだら会話してるように見えるだろうとも。

みんながもうバットマン辞めろお前ェって言うように『バットマン』という仮面に取り憑かれたブルースウェインが過去を克服して自分なりの正義に決着をつけ一人の人間へと回帰を遂げるお話。

ベースすごい複雑な軸が沢山ある話をよくまとめてるのだが、昔見た時にも感じたけど後半につれてこれってなんの話だっけ?てなる。
主な問題点は、主人公=バットマンの目的がゴッサムシティを悪から守る事=正義にあるとこちらとしては思ってるのに、影の同盟とか言うあんま知らん奴らとの過去の確執に終始してるので『ゴッサムほんとは関係なくね?』てなるとこ。結構致命的。
あと、敵キャラがジョーカーの次なので弱いのは仕方ないとはいえ、目的すらいまいち掴みきれないのが難点。
結局ブルース個人に復讐するのが目的であの街も襲ってたってことなのかな…?
だったらやっぱり基本街は巻き添えじゃん…汗
あと、結局ブルースは上手いこと言って完結した雰囲気にしてるけどやっぱり『正義を取り戻す』のと『ヒーロー(への執着)を辞める』てのがイマイチ噛み合わせよく終わってない気がする…
最後に『あれ!?やめんの!』て今回もちょっと思った。理解はできるけど感情が…
作中でも言われてる通り、結局金持ちだからできたし言えるよねって事がフィルターとして一枚噛んでるので共感度合いが少し下がる。まぁバットマンはそう言うやつなので仕方ないんだけど笑

ベインに扇動されて暴徒と化したバットマンが捕まえた脱獄犯達に対して、警察が劣勢であっても立ち上がる終盤にみえる正義の形は美しくて、こういう盛り上がりをエモーショナルにつくれるのは流石ノーランて感じする。
終わり方も爽やかだしなんやかんやあんまり嫌いじゃない。
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