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五島のトラさんのhorikingのレビュー・感想・評価

五島のトラさん(2016年製作の映画)
4.5
長崎の五島列島でうどん作りを生業とする「トラさん」と、妻、子ども7人の大家族を地元テレビ局が20年近く継続取材したドキュメンタリー番組を一本の映画にした。生まれた島で自然に囲まれ、自然の恵みを享受して暮らすのが一番の幸せと信じて疑わないトラさんは、島を出て外の世界で暮らしてみたいとする子どもたちと、あちこちでぶつかる。7人もいるから、軋轢が途切れることはない。例えば次女。説得むなしく家を出ていく次女の「行ってきます」の呼びかけに答えようとしないトラさんはその夜、酒を呑んで泣きじゃくる。父と娘だからなあ、と観ているこちらも切なくなる。巣立った子どもはやがて、成長して島に帰ってくる。父親との久しぶりの会話。ぎこちない中に互いを思う気持ちが溢れる。こういう映画を娘に見てもらいたいと思うのは、父親のわがままか。制作はテレビ長崎。佳き映画を見せてもらいました。
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