全国各地で起きている地域電力の取り組みを取材したドキュメンタリー映画。福島原発事故の直後に喜多方市の酒蔵の当主が会津電力を立ち上げ、それに刺激を受けた畜産業者が故郷の飯館村で地域電力会社を興した。秋田県の「にかほ市」は都市の生活協同組合との長年の連携を生かして市民風車を建設する。岐阜県郡上市の石徹白（いとしろ）では村民１００世帯のほぼすべてが出資して小規模の水力発電事業を始めた。岡山県北部の西粟倉村では手つかずだった森林資源を使い、地域の中でお金が回る循環ビジネスを目指す。人口減少や過疎化は共通の悩みだが、地元の人々、都市から移り住んできた人、都市生活者、被災者らが連携し、支え合って、未来志向の取り組みを始める。映画に登場する人々の表情と語る言葉が力強く、田舎に住んだことがない私はとても羨ましい気分にさせられた。さて、私には何ができるだろう。久しぶりに元気の出る映画を観た気分だ。
