シネラー

トランスフォーマー/ダークサイド・ムーンのシネラーのレビュー・感想・評価

3.5
本作後にも続編は製作されるが、
三部作の完結編でもある本作を再鑑賞。
人間ドラマは前作よりも設定が
練られているにも関わらず退屈だったが、
大規模で派手なメカアクションと
その壮大な設定は好きな映画だ。

月面の裏側で眠っていた
センチネルプライムをオートボット達
が回収して復活させるも、
裏でディセプティコンの陰謀が進んでおり、
大規模なトランスフォーマー達の
戦いを描く完結編となっているが、
壮大なスケールで描かれるバトルは
三部作の中で一番好きだと思った。
60年代のアポロ計画の目的が
月の裏側に墜落した宇宙船の調査だった
という陰謀論的な展開は、
史実の出来事と合わさったSFで
個人的に好きな要素でもあった。
シカゴを舞台にした長丁場な
アクションが繰り広げられ、
明確に一般市民への被害も描写されている為、
前2作と比べて戦争映画な印象も強かった。
オートボットと人間側(米軍)の
大規模アクションが目立っていくが、
やはり空を滑空して敵を無双する
オプティマスの場面が一番格好良くて
好きな場面だった。

前2作からヒロインが交代となるのは
シリーズとして違和感があり、
相変わらず最終局面の戦闘自体が
あっさりと描かれるのも残念だ。
本作の小説版では完結編らしい
オプティマスとメガトロンの決着が
描かれているのだが、
そちらの方が映画本編のオプティマスの
急な決着よりも好きだと思うところだ。
又、主人公のサムが
彼女に身を寄せるヒモ状態の上、
物語前半は感情的に喚き散らす場面も目立ち、
いまいち感情移入できないところだった。
中盤以降ではディセプティコンに
協力する人間との争いも描かれるのだが、
いかんせん人間同士のいざこざが
恋愛劇も含めて興味を持てなかった。

本作を観ると『トランスフォーマー』
を映画化するにあたって面倒なのは、
人間側のドラマだと思うところだが、
荒々しくも派手なアクションが
大いに堪能できる映画だった。
都市でのメカアクションは最高峰であり、
癖のあるマイケル・ベイ監督の
『トランスフォーマー』も
嫌いになれないと思った。
シネラー

シネラー