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居酒屋兆治のtheocatsのレビュー・感想・評価

居酒屋兆治(1983年製作の映画)
4.0
ネタバレ
居酒屋の酔客群像劇、肝は大原麗子ワールド

函館にて健さん営む居酒屋兆治に集う人々を描いた酔っ払い群像劇。

キャストが当時のオールスター。シナリオもかなり散漫化しているため何が主軸なのか分かり辛く、こちらの集中も削がれがち。
そろそろエンドかな?と時計を見たらまだ半分を超えたあたりで天を仰ぎましたね。
仕方ないので以降は1・2倍速。

後半はメインストーリーが明確化。

前半で「あなたが悪いのよ・・」という意味深なつぶやきに正直ギクッとしてしまった大原麗子さんが後半の主軸となる。(←同じくギクッとした男子結構いるんじゃないですか?笑)
決して好みのタイプではないがあの薄幸そうなキレイ顔、何かを訴えかける視線、SOSを発するか弱い声、くずおれそうな身体・・、「俺がなんとかしてやらなければ!」と思われた視聴者男子も多かったに違いない。※夫や付き合っている男子に彼女の様なタイプが付きまとっているようなら女性陣はアラート発令だ!!笑

序盤における嫁ぎ先牧場の失火火災後、その麗子さんのミステリアスな逃避行に昔の恋人だった健さんも振り回されることになり、理由は違うが暴力致傷事件を犯してしまい逮捕拘留。
その拘留中に麗子さん絡みであらぬ嫌疑までかけられてしまう。
麗子さん情報を提供したことで拘留を解かれ、函館から札幌へ人探しに出かけ麗子さんと悲しい再会を果たすことになる健さん・・・(←自身泥酔し勤め先の酔客にしなだれかかり肉体を合わせるなど刹那的な破滅的行動が痛々しくて切なかった・・涙)

ラストは意外なことに麗子さんが取り持ってくれた(?)男子三人が集うという悲しくも奇妙な「大団円」。
エンドテーマの健さん歌唱もいいじゃないか。

総評は二つ星と決めていたが、貴重な大原麗子さんのバーチャル体験が余韻に残り過ぎの為四つ星に。

麗子さんの哀しい孤独死が今さらながらクローズアップされしんみりしてしまった。

002006
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