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「居酒屋兆治」に投稿された感想・評価

odyss

odyssの感想・評価

3.3
【大原麗子さんがすばらしい】

こういう映画があることは知っていたけど、大原麗子さんが出ているとは知らず、見ていませんでした。私は大原麗子さんの大ファンなんですけど、出演作は系統だっては見ていません。

作品そのものの質としては、必ずしも高くはないですね。脚本が説明不足だし、時代的な背景も少しちぐはぐな感じがします。

特に、英治とさよが一緒になれなかった理由があまり説得的ではありません。この映画は昭和58年(1983年)作で、ということはすでに日本が経済大国視されるようになっていた時代です。このとき高倉健さんが52歳、大原麗子さんが37歳。二人の青春時代はどんなに早くても昭和30年代はじめ、大原さんの年齢に合わせて考えれば昭和40年でもおかしくない。「もはや戦後ではない」という言葉が流行語になったのは昭和31年です。戦前や戦後すぐの混乱期に青春時代を送ったならともかく、この脚本は少し古いのではないでしょうか。

それはさておき、大原麗子さんが恋に狂いそして死ぬ女を見事に演じています。この大原さんを見るためだけでも一見の価値がある映画だと言えるでしょう。

加藤登紀子さんが地味ながら健さんの女房役をしっかり演じています。歌手のちあきなおみも近所の飲み屋のおかみ役を好演。田中邦衛も、いつものように健さんの脇役をきっちり務めています。そういう意味では、あの時代の邦画ファンや健さんファンには安心できる映画だったのかも知れませんね。
いろいろな職業を経験するも、ブレない正義の男!
ってか、脇役達も超一流!
sakurako

sakurakoの感想・評価

3.6
カラオケの機械とか、キャバレーの店内の様子とか、扇風機を当てると死んじゃうとか、時代を感じて面白かった。次から次に悲しい出来事が起こるけれど心あたたまる部分もあって、人生の悲喜こもごもが詰まっている。バットのエピソードが切なかった。健さんかっこいい。
Kamiyo

Kamiyoの感想・評価

4.2
1983年 「居酒屋兆治」(降旗康男監督)
山口瞳の原作を大野靖子が脚本に仕立てていて、男と女の位置関係がめっちゃ昭和後半だなぁと思いました。
函館で居酒屋 屋号は”兆治”村田兆治投手に憧れていた
40年前の作品だけど、
主演の高倉健さんだけではなく、僕の大好きだった、
大原麗子さんの顔を観るだけでも嬉しかった。
二人とも、もうなくなってしまったね。。。
北海道が似合う男 。。高倉健 でも九州 福岡の生まれ

エイジさんが、悪いのよ・・・・
何と言っても大原麗子さんの「美しさ」に尽きる。

「人が心に想う事は、誰にも止められない。」
加藤登紀子の女房のセリフ

映画の中で、健さんと大原さんの「恋」は
深く語られない。。。「恋の深さ」なんていうのは
他人が理解出来る様なもんじゃない。
ただ、男には「愛するがゆえに別れる」という
選択も存在する。
主人公の兆治は、自分の事より
他人の事を深く考えてやれる時代遅れの「男」だ。
そんな男が、愛する女の幸せを願って
別れたはずなのに、
女にとっての「本当の幸せ」は
そうではなかった・・・・
その間違いに、気付いた時には
二人はもう引き返せない所まで来ていた。

真夜中の無言電話は彼女の悲鳴だったのだ

「エイジさんが、みんな悪いのよ・・・・」
多分、兆治は相手に相談もせず、話し合いもせず
自分独りで決めたのだろう。
学生時代に、人生最大の「挫折」を味わっている男は、
自分以外の人間が、そんな「挫折感」を味わうのを
見るのが耐えられない。
だから、「クビ斬り」職の会社も
辞めるしかなかったのだ。
しかし、人生とは皮肉なものだ。
幸せを願って別れた女からは、せつない
「シッペ返し」をもらい、
自分をクビにした専務は、ガンにかかって
余命いくばくも無い。
兆治は、酒をあおって、涙ぐみ
鏡に映った自分に、ソッとつぶやく。
「おい!元気だせ!・・・・」
思った通りにいかないのが、人生だ。
でも、それを嘆いて立ち止まってしまったら
前にも進めない。
高倉健は、武骨で不器用だが
前を向いて進む男を好演していた。

誰もが願いが遂げられることはない
それが運不運、巡り合わせが妨げてならまだいい
なんだか本人にもわからない、後になってみれば何故自分でもそうしたのか、今なら間違いだったと分かる決断が
理由だったならばどうだろう
いつまでも心の奥底で痛み続けて失血し続けていくに違いない

大原麗子は、ただ、ひたすら、せつなかった。
昔の恋が捨てきれず、一途に想い続ける女性。
せつなく、哀しく、そして美しかった。
今と違って、昔の女性には、こういう人は
たくさんいたのだろう。

大原麗子の印象的なセリフは「キングコング…」という。
「昔好きな人と観たの…つかまえられて、オリに入れられて、見世物にされて。あれは私…キングコングは何も考えちゃいけない」。
ラストに大原麗子孤独死。。吐血して死んでしまう さよ

実際の大原麗子のことを思うと、涙が出てきてしまう。
これならもっと若い頃のエピソードを入れてくれれば、
感動もできたのに・・・惜しい。
「すこし愛して、ながーく愛して」という
声が忘れられない

終盤の加藤登紀子の女房のセリフ
夢を追いかけて行ってしまう人を止めることはできないわ
私、あんたも行ってしまうかと思ってた
彼女の不安と、旦那が自分のところに戻ってきた安堵
私、居酒屋の女房で悔いは無いわ
薄々感じていたことを全てを知っても亭主の過去を飲み込むその姿
このシーンのセリフに涙がこぼれました
そして二人はこれまでと何も変わらず暮らしていくのです
眼を閉じて聴いていたら、加藤登紀子さんの声が、驚くほど倍賞千恵子さんに似ていました。

函館の居酒屋の店主を取り巻く人間模様。
他のエピソードを挿入する。
カラオケ中毒の男(美里英二)
英治をクビにした専務(佐藤慶)の入院
タクシー運転手秋元(小松政夫)とその妻の突然死の話、英治の先輩でなにかと店でグダをまく河原(伊丹十三)、
監督は居酒屋を巡る様々な人間模様を描きたかったのだろう。でもそれを傍で眺める英治の佇まいは終始暗い。
居酒屋の客といえばどこかで見た人がいると思ったら
原作者の山口瞳と山藤章二だった。

本作では違う一面も垣間見せている。
親友役の田中邦衛とふざけあうシーンの健さんの様子が
実に自然で良かった。
田中邦衛や小松政夫といった演者が醸し出すコミカルさに反応する高倉の演技の軽さが新鮮だ。
スナックのママを演じたちあきなおみの
芸達者ぶりは見事であった
恩師相馬先生(大滝秀治)さんの目玉焼きの話は
笑えましたね。 チョイ役は勿体ないですよ

かつての任侠映画のヒーローのごとく、我慢に我慢を重ね、ついに堪忍袋の緒が切れた時に恨みを晴らすという要素も持ち合わせている。
しかも自分のことは何と言われようと殴られようが我慢したのに、仲間のことを悪く言われたことに憤慨しての鉄拳だ。
兆治の性格がうかがえ、観ている者も溜飲が下がる。

余談だが、健さんが劇中着用するスイングトップ
「バラクーダ」(マックィーンが「華麗なる賭け」

画面に登場するお店の風景、看板などは面白い。
まず何度も登場するアルコールは、ウィスキー。
(通称・ダルマ)
「ウィスキー飲み放題」という看板を見つけ笑い、
さらに、素敵な大原麗子さんが
ストレートでガブ飲みをする。
焼き鳥屋のメニュー「奈んこつ80」も、笑えた。
「軟骨(なんこつ)1本80円」なんだろうけれど
洒落ている。
そして極めつけは、下着姿で大騒ぎする
「高級キャバレー」。
お店の外には「サロンB館 ロンドンキャバレー」の
文字。
何もかもがレトロで昭和時代を懐かしくて思い出す。
高倉健のかっこよさが際立つ作品さでした。

ストーリー自体は、全然共感出来ませんでしたが、昭和感満載の雰囲気は楽しめました。

あと、キャストが豪華。

現実離れしたストーリーも、高倉健の持つオーラというか、俳優の持つ空気感で名作になっていたと思います。
山口瞳、山藤章二、細野晴臣、伊丹十三、小松政夫、田中邦衛、ちあきなおみ!この面々が並ぶカウンターは圧巻。だが違和感だらけな演出・脚本と不器用過ぎて調理が不安な高倉健、大原麗子の無駄遣いがこの評点です。
デニロ

デニロの感想・評価

2.5

このレビューはネタバレを含みます

観たかった理由を思い出せない。ちあきなおみ、だろうか。それにしたって。

高倉健の家に地味な顔の女性がいて、こどもが朝騒ぎながら学校に行くともう少し寝ててもいいのよ等と言いつつ健さんのために朝食を用意したりする。奥さんの様だ。健さんが材料の買い出しに出掛ける姿を見ながら、あれ、加藤登紀子か、と思い至る。その後彼女はかなり重要な配置をされるのだが実に見事に佇んでいる。

後は酔っ払いばかり出ていて何が何やら。伊丹十三などはもはやクダまいているだけで五月蠅いったらありゃしない。全体的に個々の登場人物は何か健さんの役柄に対する何かを与えられている。伊丹十三は、健さんお得意の我慢に我慢を重ねた挙句の限界を超えた時に殴られる役。その後は出てこない。美里英二は健さんを引き連れて自らのカラオケステージを披露する役。これが何だかよく分からない。大滝秀治は30歳以上年の離れた石野真子を後妻に迎えて居酒屋でからかわれる役。朝食の目玉焼きの目玉が三個の日が月に二日あるけれど云々。高校野球の球友田中邦衛は健さんオールオッケーの役。

池部良に至っては、一体何の役ですか。ラストで健さんと待ち合わせて匕首を懐に忍ばせて助太刀かと思ったけれど、カウンターに座っているだけ。僕初めてだったんです、と言う平田満は「熱海殺人事件」のまんまじゃないですか。萎むようにひとり亡くなってしまった大原麗子はその数十年後、実人生で同じように死んでしまう。ここでは何の役なのかよくわからない。精神疾患と劇中言われていたけれど。小林稔侍は健さんが目立たせてやろうという温情で役を得ているんじゃなかろうかという、意味不明の冤罪捜査官。

周りがこんなもんだから高倉健はいつものように突っ立っていればいい役。信じられない2時間超だった。

1983年製作公開。原作山口瞳。脚色大野靖子 。監督降旗康男 。
c5

c5の感想・評価

3.5
◯知人のオールタイムベスト

◯不器用な健さん。早く殴っちまえと思っているけど、すぐ殴らないのがいいところ。

◯バット絡ませて寝るのは、悲しいねえ。
parkoldies

parkoldiesの感想・評価

3.6
マークし忘れ。
大原麗子が綺麗なんだよなほんとこれ。
『夜叉』のいしだあゆみといい、この加藤登紀子といい、ヒロインに対して健さんの隣にいる女優の演技が神がかってるな。
Arata

Arataの感想・評価

4.0

このレビューはネタバレを含みます

忘れられない恋心、報われない大人の恋の物語。
「居酒屋」という、地域密着で人情味のある小さなコミュニティの中の人間ドラマ。

12月下旬、古本屋で原作本を購入。
空き時間にちょこちょこと読み、1週間ほどかけ読了後に映画版と2020年版のドラマを立て続けに鑑賞。
本作が、個人的2021年最後の映画となった。

ここから先は、至極個人的視点から、その3つの比較のような形になっているのと、具体的なネタバレがあるので、もしお読みになる方がいるならば、その点を注意されたし。

【構成】
原作は三人称のナレーション進行になるが、映画もドラマもナレーションは無く、その代わりに時間や季節などが感じられる街並みの映像、豪華俳優陣の動きや表情、セットや衣装などから情景や世界観が伝わってくる。

小説は、山口瞳節とでも言おうか、詳細でユーモラスな描写説明により言葉が埋め尽くされているにも関わらず、余白や行間を感じる独特の語り口なのだが、映画はセリフ自体は少ないのに、余分な口数が多いようにも感じた。
様々なシーンが書き足されていたりもする。それが良い事もあるし、時に不要とも感じる。

【舞台】
原作は70年代の東京の国立、映画は80年代の北海道の函館、ドラマは2020年の茨城の勝山、と時代も舞台が全て違うのだが、幼馴染とひとつの街で、しがらみに揉まれながら共に過ごす様を描くのに適した土地、と言う事が根本にあり、時代性に合わせて選ばれているのだろうと感じる。

原作では、兆治は縄のれんのお店という設定で、映画版はその点忠実だったが、ドラマ版では普通の暖簾になっていた。ドラマ版の兆治の師匠のお店「松川」の暖簾は縄のれんだった。

【お酒】
映画版では、モツや和物のおつまみの居酒屋に、日本酒、焼酎の他に、サントリーオールドが並ぶ。
原作者が元サントリーの広報部出身と言う事への配慮もあるだろうが、二本箸作戦により爆発的に売上を伸ばしたオールドが、この当時何の違和感もなく様々なお店に並んでいた事実もあり、いかに広く一般に知れ渡っていたかと思う。

大原麗子さん演じる神谷さよが、のちにCMを担当する事になるサントリーオールドをがぶ飲みするシーンで、身を滅ぼしていく姿が「美しくも脆い」と感じた。
ちなみに当時CMしてたであろうサントリーレッド(印象的なセリフ「少し愛して、長〜く愛して」)は、劇中には見つけられなかった。

【美学】
腕が悪い(と本人が謙遜している)ので、師匠のお店より大きく肉を切ると言う心意気、決して高い目標を持たず手の届く商いを心がけているところ、他にも余計なお釣りを受け取らないと言ったエピソードなんかも、兆治の生真面目で不器用で、誠実が故に知らず知らずに誰かを傷つけてしまうと言う人柄が、高倉健さんの演技を通して伝わってきた。
遠藤憲一さんも、そのあたり巧く表現されている上に、現代的な解釈での表現も加わり、とても良かった。

【その他】
祖母が左利きのグローブを買ってくれたと言う場面では、映画オリジナルキャラクターの野球少年が効いていて、そのエピソードをより深く理解出来たように感じた。

ローレルアンドハーディ、ジャックタチ、などのコメディが大好きだと語る細野晴臣氏が、おかしな演技で出演。

全ての作品でオンメニューだった、自家製の塩辛は是非とも食べてみたいと思う。

と、かなり長くなってしまったが、それぞれに面白さがあり、大変楽しませていただいた。
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