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若草の頃のmaverickのレビュー・感想・評価

若草の頃(1944年製作の映画)
4.5
1944年のアメリカ映画。出演はジュディ・ガーランド。監督は彼女の2番目の夫となったヴィンセント・ミネリ。


当時は大ヒットし、現在も不朽の名作映画の一つに数えられている。コメディ調でゲラゲラ笑えながら、家族の温かさを描いた部分に感動がある。これぞアメリカの理想とする家族のあり方。何とも癒される。クリスマスシーズンにも最適な映画だ。

ジュディ・ガーランドは次女のエスターを演じている。『オズの魔法使』から成長し、やや大人っぽい雰囲気の可愛らしさに溢れている。姉のローズと比べて、少しやんちゃなキャラクター。大人っぽく見えても、まだまだ子供だなと微笑ましい。そうした初々しさがありながら、歌い出すと一気に大人の色香を発して驚かせる。ジュディ・ガーランドは紛れもない銀幕のスター女優。大家族の次女という立ち位置に収まっていても、スポットライトが当てられると途端に一番星の如く輝きを放つ。彼女を常に中心に配置した作品ではないが、その魅力を十二分に活かしてある監督の手腕が見事だ。

アメリカ映画主題歌ベスト100に2曲がランクインし、現在も愛され続ける多数の名曲で構成されたミュージカル映画。ウキウキさせるノリの良いナンバーから、ジュディ・ガーランドが歌い上げるしっとりとしたバラードまで、どの曲も強く耳に残る。ミュージカル映画としては、アメリカン・フィルム・インスティチュートで10位にランクイン。今も色あせない名作である。

『若草の頃』というタイトルで、あの『若草物語』と関係ある話なのかなと思ったが、原題は『 Meet Me in St. Louis(セントルイスで会いましょう)』であり紛らわしい。確かに次女のエスターを中心とした娘たちの物語でもあるのだが、それに限らず家族全体の物語であるし、長男もそれに含まれているのだからミスマッチさは否めない。セントルイス万博を控えた、この町ならではの物語であり、そのままの原題がベストだと感じる。この邦題だと『若草物語』の二番煎じ感で、日本でのイメージ的に損しているんじゃないかな。


ジュディ・ガーランドに惹かれての3作目の鑑賞。観れば観るほど好きになってゆく。可憐だなぁ。眩しいくらいに輝いている彼女が印象的だった。
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