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マリー・ミーのmaverickのレビュー・感想・評価

マリー・ミー(2022年製作の映画)
4.2
2022年のアメリカ映画。ジェニファー・ロペス、オーウェン・ウィルソン共演によるロマンティック・コメディ。


何ともロマンチックな作品。王道で古典的なストーリー性ではあるが、それがシンプルに心に刺さる。SNSを多用させた現代味のある演出で若者ウケも十分。超有名女性シンガーと冴えない数学教師の電撃結婚という有り得ないような物語でありながら、こんな出会いから始まる恋があってもおかしくないとそう信じさせてくれる。シングルファーザーである主人公と、その娘との親子の関係性も心温まる。想像以上に良作で、評価の高さも納得であった。

ジェニファー・ロペスのオーラが圧倒的。歌が上手いし、大物女性シンガーという役柄に全く違和感が無い。演技も上手いし、劇中で多彩な一面を見せる彼女に魅了されまくりだった。冴えないシングルファーザーを演じたオーウェン・ウィルソンもハマリ役。冴えないけれども、人柄の良さが大きな魅力の男性。その優しさと人間性に、ジェニファー・ロペス演じるキャットがどんどん惹かれてゆくのが理解出来る。この二人がそれぞれに影響し合って、良き方向へと変わってゆくのが本作の良さ。うっとりするようなロマンスを見せてくれた二人に拍手を送りたい。

主人公の一人娘を演じるのは、『ガンパウダー・ミルクシェイク』『ダンジョンズ&ドラゴンズ アウトローたちの誇り』などで、人気急上昇中のクロエ・コールマン。父親には絶賛反抗期でありつつも、有名歌姫が新しい母親という突然降って湧いた人生のサプライズに喜々とする姿がとても可愛らしい。自身が抱えるトラウマを二人の助言によって克服する部分は感動的。親子愛を描いた話としても素敵であった。ジェニファー・ロペス、オーウェン・ウィルソンを前にしても堂々とした演技の彼女は、女優としての貫禄は既に十分である。


シンプルに素敵な話であった。想像以上に感動出来て大満足。きらびやかなスターの世界と、平凡でも微笑ましい普通の世界。どちらも素敵と思わせる演出の良さも優れていた。愛する大切な人がいるから幸せなのだと、そのことに気付かせてくれる話。こんな出会いから始まる恋があっても良いじゃない。人生何が起こるか分からない。運命の相手は意外なところに存在しているのかもね。
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