貝

魂のジュリエッタの貝のレビュー・感想・評価

魂のジュリエッタ(1964年製作の映画)
3.0
フェリーニのカラー作品はここから始まっているらしい。カラーでみせることのおもしろさや美しさや色を使う意味が存分に表現されててめちゃくちゃ見応えある。

現実と夢の世界を行き来するという物語、夫の浮気に葛藤するジュリエッタ(ジュリエッタ・マシーナ)の荒んだ心の内を表す夢の世界の描写で、超奇妙な世界に連れていかれる。この夫にしてこの妻ありとは言い難いほどの地味な装いで、まわりの女性たちが情熱的で性に対して奔放に描かれているおかげで、嫌味なくらい浮いている。
自分の色気のなさや男からみた女性らしさみたいなものを持てない自分にどんどん自信を失っていく彼女が見ていて辛い。
でも彼女は、それでも自分を見失わない素晴らしいラストになってるから、現実でのフェリーニとの関係がどうあれ、美化されたものであれ、勇気のある強い女性として描かれていて救われる。
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