魂のジュリエッタの作品情報・感想・評価・動画配信

「魂のジュリエッタ」に投稿された感想・評価

フェリーニが妻ジュリエッタとの結婚生活を反映したとされる私的幻想譚で、『8 1/2(1963年)』の姉妹編とも呼ばれる作品。
遺作『ボイス・オブ・ムーン(1990年)』まで続く言語化の難しい摩訶不思議心象世界への転換点はここだったか。

何度観ても意味不明だが、夫の浮気に悩まされた妻の重層的な感情(憤慨、忌避、願望、背徳、記憶)がそのまま具現化されたような世界観は、長い迷いを越えた先の初カラー長編なだけであって圧倒的な完成度を誇っている。
シュールでナイトメアで、ファンタジーでサイケデリックで、ポップアート。魔術師と呼ばれる由縁というか、天才映像作家のあらゆるイマジネーションの放出が極彩の色彩感覚や抽象画的構図によってひとりの女の見る幻想世界として表象され概念と画像を合致させるという、これもまた人智を超越したかのような体験。

奇妙奇天烈人間(?)達の乱痴気騒ぎの中でどことなく現実の静けさや、根源的な優しさのような気配が漂っているのが彼の最大の魅力でもある(と思う 笑)
夢と幻想の世界はまるで万華鏡のようで魅了される。
現実と向き合うことを決めたジュリエッタの晴れ晴れとした笑顔は美しく、足取りは軽やかだった。
hina

hinaの感想・評価

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新文芸坐で

フェリーニのアマルコルドが見たくて、二本立てで見に行ったけど魂のジュリエッタの方が好きだった

とにかく色彩が豊かで装飾も豪華
オープニングの鏡を使った仕掛けが好き
映像の魔術師って言われてるのに納得
天才、天才、天才
それしか言葉が出ない

デヴィッドリンチ、大林宣彦、大島渚、寺山修司、タルコフスキー、アピチャッポン、ウディアレン、ジャックドゥミ、ゴダール、ホドロフスキー、アレックスデライグレシア、カサヴェテス、マノエルドオリヴェイラ、フィリップドブロカ、ジャンピエールジュネ、ロッキーホラーショー
あらゆる名作を一挙に見させられてるようなそんな錯覚に襲われる


彼は真に映画界のアダムであった
新世代と言われて来たあらゆる巨匠たちの傑作が全く新しく感じない。もうこの時点で映画史は既に完成していたのではないかと信じ込まされてしまう
ブルジョワ、メイド、幽霊、霊媒師、宗教、娼婦、サーカス、探偵、モデル、若者、美青年、男性像、女性像、幻想、異世界
すべてのモチーフがパーフェクトに散りばめられていて大好物でしかなかった

これから書く脚本もモチーフを大事にしたい
フェリーニ初のカラー作品というだけあって、衣装のこだわりが強く美しかった。
ジュリエッタがスージーのような女性たちに対して小馬鹿にしたような笑顔を見せつつ、内在的な性的魅力や奔放さへの羨望が幻覚として現れる。
これを夫婦仲最悪のときに撮影するって、フェリーニひどいな、笑
朝の字

朝の字の感想・評価

3.8
不倫されている女性の内面を描く。

基本的にはそれだけだが、哀しさや貞操観念に揺れるその内面がどう悲劇的に、あるいは幻惑的なフェリーニ的映像で描かれるか。

ちょっと、不倫以外の話題があってもいいかもしれない。そこのサスペンスが少し入ると、映像の楽しみだけに割り切れない感がある。
白黒で撮ってた時代のフェリーニは好きなのだが、カラーのフェリーニはどうも好みではなく、かなり高確率で「画面で起こっていることの全てがどうでもいい」状態に陥ってしまう。今作はフェリーニ初のカラーということで、自分にとってはどうでもいい方のフェリーニ節が炸裂していた。
kyosuke

kyosukeの感想・評価

3.6
ひたすらジュリエッタ役が良かった!テーマとしてはそこまで強く惹きつけられなかったけど、ほかのキャスティング含めて映像はとてもよかった。
ryo

ryoの感想・評価

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フェリーニ初のカラー映画にして、妻ジュリエッタ・マシーナを主人公に起用した、前作《8 1/2》のB面的映画。

人生を要約しようとする悟性的-意識的-言語的な欲望に抗うものとしての、官能、色彩、不安、オカルト、夢、抑圧された記憶、数々のimageたち。精神分析とサーカス。“degli spiriti”は「魂の」と漠然と訳されているが、スピリチュアルな、精神的な次元での、というニュアンスが強い。

鏡、降霊術、虫の声、浮気調査、スージーの館でのパーティー(見世物小屋的、寺山修司)、幻想、悪夢のイメージ(いないはずのものがそこに確かに映っている、という映画特有の幽霊性、《シャイニング》)。
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