マーくんパパ

大阪物語のマーくんパパのレビュー・感想・評価

大阪物語(1957年製作の映画)
2.8
原作は溝口健二、自ら監督クランクインしたが白血病で急逝した為、吉村公三郎が引継いだ因縁作。年貢米が払えず大阪へ夜逃げした百姓一家が落ち米を拾っては売りで10年、両替商の大店となる。身に染み込んだケチ主人は苦労かけた病気の妻にもろくに薬を与えず死なせ、娘の嫁ぎ先は同じくケチで財を成した先へと勝手に決めるがそこの放蕩息子が惚れた花魁を身請けする工面を唆された息子が金を持ち出して勘当に、娘も恋しい手代と愛想尽かし出て行ってしまう。かくして家族を失った男は地下蔵の金を抱えて発狂するといった守銭奴の末路を描いた一作だがどうも辛気臭くて今一つ。放蕩息子役の勝新と芸妓役の玉緒の若々しい共演が今となっては懐かしい見どころ。