れとろぐ

[リミット]のれとろぐのレビュー・感想・評価

[リミット](2010年製作の映画)
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ライアンレイノルズが棺の中に閉じ込められ、電話で各所に助けを求める、それだけなのに飽きさせずに見させるのは見事。ここで場をもたせるために電話相手のシーンを挟んでしまっていたら途端にチープになっていたでしょう。電話相手が信用できるのか、そもそも本当のことを言っているのかも疑わしいので、そういった意味でも電話相手の顔が見えない演出は良かったです。
オチが憂鬱で良くないとか、そんは感じの感想を目にしましたが、その点も安易なハッピーエンドにしていたら安っぽくなっていたので、これで良いと思います。そもそも、この話のテーマがテロリストに誘拐されたら終わり。テロリストのいかなる要求にもアメリカは応じないという政策を皮肉っているものなので、この物語の最後に感動の救出劇が待っているわけがありません。主人公の勤める会社も法的責任を免れるためにあらゆる手を使ってきます。FBIの人はできる限りのことはしていたと思われるので良いのですが、アメリカの会社があそこまで冷酷非道なのは本当なのでしょうか。アメリカの訴訟社会、それに伴う民間企業の訴訟対策も痛烈に皮肉ってますね。この映画の一番のホラーは主人公の勤める会社の外道っぷりですね。
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