れとろぐ

ジョーカーのれとろぐのレビュー・感想・評価

ジョーカー(2019年製作の映画)
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音楽が素晴らしかったです。ホアキンフェニックスの演技と不安を掻き立てる音楽の相乗効果で終始緊張状態が続きます。いつ爆発してもおかしくない空気の中で、アーサーの心は崩れていきます。

脚本は良く出来ているのですが、これをバットマンの宿敵の誕生ストーリーとみると少し疑問が…。
まず、そもそもアーサーがバットマンの宿敵になり得るのか怪しいです。暴動のトリガーとなり、その後、貧困層のヒーローとなったアーサーですが、アーサーが企てたというわけではなく、偶然が重なってそうなっただけです。アーサーである必然性もありません。
そして、ブルースの両親殺害に間接的に関わることとなるアーサーですが、この時の年齢差が気になります。
ジャックニコルソン版と異なり、肉体的にも非常に弱々しいアーサー。
ブルースがバットマンとして活躍する頃にはアーサーはよぼよぼなのではないでしょうか。

ジョーカー誕生の物語として見てしまうと疑問が残ってしまう今作ですが、一本の映画としてみると良く出来ているのは間違いないです。

特に予習しなくても楽しめると思いますが、ティムバートン版のバットマンを見てゴッサムシティやウェイン家のことを知っておくと良いかもしれません。
ダークナイトを見てしまうと全てが謎のまま終わるヒースレジャーのジョーカーと悪い意味で対比してしまうかもしれないです。
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