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サラエボの花の一人旅のレビュー・感想・評価

サラエボの花(2006年製作の映画)
5.0
第56回ベルリン国際映画祭金熊賞受賞作。現在の日本では想像もつかない、同じ国の人間同士が殺し合うという悲惨な内戦。多数の民族と宗教が入り乱れるバルカン半島だからこそ起こってしまった事件なのかもしれない。この作品の時代設定はおそらく製作年と同じ2006年。内戦はとっくに終結してるし、サラエボの街もとても静か(イメージ通りの東欧)。でも、主人公の母親の背中には内戦中にセルビア人から受けた傷跡が残っていたり、娘には明かしていない“ある秘密”を抱え時々一人うずくまって泣いてしまう。きっと内戦での一連の出来事は死ぬまで忘れられない。それでも最愛の娘と共に生きていかなければならない。戦争は憎しみや悲しみ以外何も生み出さないことを改めて痛感した。
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