土の中からこんにちは太郎さん

空の大怪獣 ラドンの土の中からこんにちは太郎さんのネタバレレビュー・内容・結末

空の大怪獣 ラドン(1956年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

セットが景気良く飛ぶ&燃えて素晴らしい。
炭鉱という、現代の日本には無い風景もセットでは出せない迫力と説得力があって良い。
自然と暗闇への畏敬と畏怖がメガヌロンやラドンという空想を創り上げたのかも、と想像してみた。
戦車に挽き潰されるカルピスの謎のキャラクターの看板が印象的。
戦闘機で追尾するシーン、ラドンの後ろ姿を影で捉える箇所にやたら説得力があって特撮のオーパーツな部分を見た(映像の粗さが手伝っている部分は多分にあるけども)

ファイヤーラドンやモンスターバースラドンの元ネタはこの哀しいラストから来ていたのか。
あなたは耐火性は獲得しましたよ。
強さは良くて中の中くらいですが…。

ラドン討伐作戦会議でのやりとりが興味深い。
阿蘇山麓一帯が壊滅的被害を被る可能性が高いのでこの作戦は待ってくれ、という反対意見に対し「北九州の被害を見ただろう。ラドンが生きている限り文句の持って行き場の無い被害をまた被らなければならない」と押し切る。
えげつない思い切り発言。
多数を守る為に少数の被害には南無三と目を瞑る考えが当時の日本にはあったのだろうか…?
コロナによって国民全体の生活が一変して久しい今だと「なんてひどい発言なのだろう」と言い捨ててしまえないモノがあって「もしコロナがこのような考えのもとに初期段階で封じ込められていたら2021年の私達の生活はどう変わっていただろう?」と考えてしまう。