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灰とダイヤモンドのtakaoriのレビュー・感想・評価

灰とダイヤモンド(1957年製作の映画)
3.9
2023年194本目

アマプラのシネフィルWOWOWチャンネルがキャンペーンで月99円と、タダ同然の値段だったのでとりあえず加入。Filmarksの表記では「配信なし」の映画も多く扱っており、ありがたい限り。中でも前から見たかったポーランドを代表する映画監督アンジェイ・ワイダの「抵抗3部作」が見られるのは嬉しい。順番的には後ろの作品から入ってしまったが、次は『地下水道』を見ようかな。
本作『灰とダイヤモンド』は、あらすじと時代背景を少し予習しておかないと、展開が頭に入ってきにくい。しかし、モノクロなのに色づかいが目に浮かんでくるような鮮烈な映像、逆さのキリストや花火などの印象的な使い方は、何十年経っても色褪せず、名作とされるのもよく分かる。
マチェク役の主演ズビグニエフ・チブルスキー(一生覚えられそうにない名前だ!)は、東欧のジェームズ・ディーンとも呼ばれるらしい。時代的にはむしろこちら先だが、なるほど雰囲気は似ている。だがディーンの代表作『理由なき反抗』とは違って、こちらはむしろ組織や社会の枠組みにとらわれ、役割を果たすことでしか自分を表現できない若者の悲劇を描いている。一度見たら忘れられないラストシーンは圧巻。
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