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箪笥<たんす>のmuuのレビュー・感想・評価

箪笥<たんす>(2003年製作の映画)
3.5
生理的に嫌悪感を感じるホラーは嫌いではないので、期待通りに良い意味で不気味で気持ち悪くて楽しめた作品でした。田舎の家に帰ってきた姉妹と継母との確執、そして家で起こる奇妙な出来事の数々の正体とは…。

最初に女の霊が出てきたときにドラのようなボーンというかんじの音がしたのは「斬新〜」と声が出てしまいましたw
しかし霊の動きや表現はなかなか怖くて、はっきりみえたら全然怖くなかったパターンの霊やモンスターではなかったのは好感が持てました。作品の雰囲気作りもうまく、広く綺麗なのに奇妙なインテリアのせいかとても不気味に感じる家を、迷路のように主人公の視点にあわせてグルグル回るように撮るので不安を煽られた。箪笥という何か出てきそうな怖さのあるものを象徴としたアイデアも面白い。少ない登場人物ながら役者の演技もうまく、とくに継母の意地悪そうな顔やヒステリックな演技がすごく印象的でした。

ホラーかと思いきや、実はサスペンス要素の強いオチがあって怖悲しい話だったのですが、結局どこまでが現実?とかそうはならないだろ!というツッコミどころもあったのでそのへんが気になる人には微妙かも。怪しい匂わせや意味深なシーンが中盤まで色々と盛り込まれていたぶん、ネタばらしにもっとパンチがあればさらに好きな作品になったと思います。個人的に最大のツッコミは……そんな不吉な箪笥すぐ捨てるだろ!!!ですw
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