シネラー

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序のシネラーのレビュー・感想・評価

4.0
シン・エヴァの前に振り返ろうと
思っていたが、
有り難い事に再上映されたのを機に
劇場で再鑑賞。

エヴァのTVシリーズ及び旧劇場版は
私が中学生になる前後に観ており、
好きなトラウマアニメではある。

基本的に本作は以降の新劇場版と比べ、
TVシリーズの序盤を
リメイクした内容となっているが、
映像のクオリティが向上している事が
何よりの大きな変更点だろう。
その為、シリーズの入門編として
もお勧めできる作品だと思う。

主人公である碇シンジが、
実の父親から突然
エヴァンゲリオンという兵器の
パイロットに選ばれた事から始まる物語
だが、改めて周囲の環境が14才の少年
に対して不条理過ぎるとは思う。
自身の行いに実感が湧かないまま、
認められたり、拒絶させられる等
葛藤の連続だ。
しかし、劇中のラストではそんな彼が、
避けてきた他者に歩み寄る
という成長を感じとる事ができる。
本作は碇シンジが他者との関係
を築いていく、最初の第一歩を描いた
作品だと個人的に解釈している。
終盤における"ヤシマ作戦"
はTVシリーズの印象が
あまり残っておらず、最後のレイの
笑顔の場面だけが印象的だったが、
本作では"ヤシマ作戦"そのものが
大きな盛り上がりを魅せる展開と
なっていて、
映画として練られている点だと思えた。

良くも悪くもTVシリーズの再構築
ではあるが、
未熟ながらも小さく成長する碇シンジ
を丁寧に分かりやすく
描いた作品だと感じられた。
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