まさか生きているうちに序破Qを映画館で見られるなんて思いもしなかった。生きてれば良いことあるもんだ。
映画館で聴く「beautiful world」は良いなぁ……
内容について。
シンジのエヴァ初搭乗シーン、冷静になって見てみれば、周囲の大人たちの言っていることが全く筋が通っておらず、本当にただ理不尽の一言に尽きる。みな、シンジに選択肢を与えているようで、奪っているに過ぎないと感じた。しかしそれを卑怯だと糾弾できない。未曾有の危機を前にして、非情に徹さずにはいられない、ミサトをはじめとする大人たちの事情もわかるわけで、その辺りの描き方が本当にしつこいくらい丁寧だと思う。
シンジもいささか決断力に欠けていたり、意志薄弱なところが目立つ。
彼が大人に「動かされている」感が消えたのは、終盤も終盤、最後の一発を撃ったあのシーンになってやっとかな、という印象。だからこそ盛り上がる。
あとそうだ、全体通してキャラクターの食事シーンがなかったのが印象深い。記憶が正しければ『破』ではいくらかあったはずだけども。アニメのご飯シーン大好きだから、次回作は楽しみにしてる。
美術・演出面について。
これに関してはもう、始終夢でも見てたんじゃなかろうかと思うほど。ワンカットごとの背景一枚一枚じっくり見てみたいくらい。
やたらとサイバーチックな使徒襲来の演出に対して、施設内に貼り付けられた「安全第一」のマークが妙に前時代的でアンバランス。この感じ、どこがどうとは言えないけどなんか良いよね!!!
キャラクターのセリフにも横文字が多く、流れるように進んでいくエヴァ発進のシークエンスに、見ているこっちは理解する間も無く飲み込まれ、最終的には「何やってるのかわかんないけどカッケェ」という感想に着地する。エヴァが難解と言われる理由の一端は絶対ここでしょ……
頑張って理解しようとしたけど、技術的なことに関しては半分もわからなかった。でも、じっくり腰を据えて鑑賞したおかげで、ストーリーはよく理解できた。地上波で片手間に見るばかりだったから、こうした機会が与えられてとても嬉しい。
個人的に『破』が一番好きなので、次に映画館で見るのが楽しみ。