御物、鬼丸国綱様の御姿を見られると聞き、慌てて視聴。5月28日配信終了なんて知らんかった。危ない危ない。
毎年5回以上、各地の博物館・美術館・寺社へ刀剣鑑賞に出かける私と母。実は備前の鍛刀場で、あの大槌を持たせてもらったことがある。地面から数センチ浮かせるだけでも、肩が外れるかと思うほど重い。これを幾度も掲げ、打ち下ろし、長い時間をかけて作り出されるのはたった一振り。
日本刀は道具にあらず。究極まで追求されたその美には、人格性、神格性が宿ると私は思う。
この作品、刀剣の紹介だけでなく、本阿弥家の方のお仕事も見せてくれるなんてあまりにも手厚い。呼吸も忘れるほど見入ってしまった。本当に勉強になる、貴重な映像。本阿弥家の方々は、やはり刀剣を「御刀」と呼ぶのですね。なんだか聞いていて涙が零れてしまった。
私はこれまで、童子切安綱、三日月宗近、数珠丸恒次、大典太光世……現在一般人が鑑賞することのできる天下五剣のうち四振りをはじめとし、多くの刀剣を鑑賞してきたが、どの刀も互いに劣るところなく、月並みだがそれぞれ違った魅力があり、何振り見ても飽きることがない。まだまだ勉強不足を痛感することも多々あるが、日本刀について知れば知るほど愛おしさが募っていく。いや、観てよかった。ありがとうございました。
