″運″という、まさに形のないものを表面に押し出した試みは非常に面白い。
常識を逸脱したバイオレンス的な構図をベースに、同じように形のない、″愛″を語るようにこの題材を展開させていくストーリーの雰囲気も、ヨーロッパ的で良かったと思う。
ただやはり、ストーリー展開の愚鈍さに少々飽きがくることは否めない。
中盤の展開をもっと小気味良く、インパクトを高めることが出来ていれば格別に良い映画に仕上がっていたと思う。
映像の色合い、俳優の演技等、作品の雰囲気は目を見張るものがあっただけに、それだけが殊更に残念なところだ。