このレビューはネタバレを含みます
パパ・ゴッドファーザー(ビトー)の過去と、ゴッドファーザー(マイケル)の現在を行ったり来たりしながら、コルレオーネ・ファミリーの繁栄と衰退を見事に対比させてる。
たとえば、マイケルとケイが口論して離婚が決定的になったシーンの後に、家族揃って故郷のコルレオーネ村にビトーが帰ったシーンを流したり。マイケルの孤独さがより浮き彫りになる構造になってる。ケイに対して「わかってるよ」って言いながらあーだこーだマイケルは言うけど、そのどれもケイのほしい言葉じゃなくて女からすると「ほんまこいつわかってない」ってちゃんとなるセリフになっているのも脚本のすごいところ。
抗争自体には勝つから衰退してるわけではないけど、あんな仲良かった家族がいなくなって1人になってしまうのははたして勝利と言えるのか?
特に最後らへん、過去のビトーの誕生日祝いのシーンで海軍に入ったことを報告して際に「すごい」と褒めてくれたのがフレドだけだったのがもうやるせなさを倍増させてる。
ビトーにはビトーなりの正義があるけれど、マイケルはただ敵と見なしたものは皆殺しでひどく冷酷なのが、パパと差のついた一因なのかと感じた。
あと、若いときのロバートデニーロがシュッとしているのも新鮮だった。アイリッシュマンを見てたから公聴会のシーンはわかりやすかったから、ゴッドファーザーを見るならアイリッシュマンも併せて視聴することをおすすめします。