このレビューはネタバレを含みます
なんと悲しい物語…。
ヴィトーの過去とマイケルの現在とが並行して描かれるが、ふたりのドンとしての在り方が見事なまでに真逆。
ヴィトーは、法外な取り立てで人々を苦しめていたファヌッチを殺害し、新たなドンとして街を牛耳る役割を果たす。ヴィトーはファヌッチのやり方には真っ向から反対しており、お金のない人に対しても平等に相談を受けていた。それ故に、多くの人から慕われる存在になったのだ。それとは真逆に、PART IIでは前作よりもさらに非道になったマイケル。政界にもコネクションを持とうとし、さらに勢力を拡大しようとする。そして、マイケルが「邪魔者」と判断した者はそれが自身の兄弟であれ殺害してしまう。
金の亡者に成り果てたその姿は、ヴィトーが最も嫌っていたファヌッチの生き方そのものではないか。
そして、兄のために自ら死を選んだフランクと、自らの欲望のままに兄を殺害したマイケルとの対比。
ファミリーで父の誕生日を祝った過去の思い出に浸るラストシーンが本当に悲しい。あんなにも賑やかだったファミリー。それを奪ったのは、他でもない自分自身なのだ。
それにしても若かりし日のヴィトーを演じたデニーロが本当に素晴らしかった!!そしてめちゃくちゃかっこよかった…!!!