山猫舎

ハワーズ・エンドの山猫舎のレビュー・感想・評価

ハワーズ・エンド(1992年製作の映画)
3.8
美しい風景と色調、エマ・トンプソンの演技、そしてヘレナ・ボナム=カーターの風貌は、やはり文芸大作の香り。
物語は鬱展開です。日陰者ジュードよりは少しましですが。

ハワーズ・エンドという美しいカントリーハウスをめぐる数奇な運命というか…

ヘレン(ヘレナ)に傘を間違えられた、貧しくて夢想家の青年が気の毒で、繊細な風貌も印象的だったのだが、作者は何を訴えたかったのだろうか。
原作のレビューに、実業家の冷酷さ、芸術家気質のヘレンの情熱的な同情、青年夫婦の生活力のない貧しさ…
の中で、知的で人格的にもバランスの良いマーガレット(エマ)こそハワーズ・エンドを託すにふさわしい…
という記述があり、少し作者の言いたいことがわかった気がしました。

それにしても、親から受け継いだ財産(のたぶん信託)で収入があるため、マーガレットもヘレンも自由に生きられる。
持てる者と持たざる者の過酷な格差を感じざるをえません。
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