美しい風景と色調、エマ・トンプソンの演技、そしてヘレナ・ボナム=カーターの風貌は、やはり文芸大作の香り。
物語は鬱展開です。日陰者ジュードよりは少しましですが。
ハワーズ・エンドという美しいカントリーハウスをめぐる数奇な運命というか…
ヘレン(ヘレナ)に傘を間違えられた、貧しくて夢想家の青年が気の毒で、繊細な風貌も印象的だったのだが、作者は何を訴えたかったのだろうか。
原作のレビューに、実業家の冷酷さ、芸術家気質のヘレンの情熱的な同情、青年夫婦の生活力のない貧しさ…
の中で、知的で人格的にもバランスの良いマーガレット(エマ)こそハワーズ・エンドを託すにふさわしい…
という記述があり、少し作者の言いたいことがわかった気がしました。
それにしても、親から受け継いだ財産(のたぶん信託)で収入があるため、マーガレットもヘレンも自由に生きられる。
持てる者と持たざる者の過酷な格差を感じざるをえません。